内容説明
美しいプリンス・エドワード島で愛されて成長していく少女アン。幸福感あふれる名作の日本初の全文訳。
訳文は、お茶会のラズベリー水とカシス酒、アンの民族衣裳、スコットランドから来たマシューの母など、モンゴメリの原作に忠実に、全文を、みずみずしく夢のある文章で訳した真実の物語。
巻末の訳註では、作中に多数引用されるシェイクスピア劇など英文学と聖書の句、スコットランド系アンとアイルランド系ダイアナなど登場人物の民俗、19世紀カナダの衣食住、キリスト教、草花とハーブをくわしく解説。
口絵には、リンド夫人が棒針で編むキルト、アンとマシューが初めて出逢う駅のモデル、マシューが愛するスコットランドの薔薇など、物語に描かれる品々や場所の写真を11点掲載。
松本訳の旧訳『赤毛のアン』の訳文と訳註を、全面的に改稿した新訳!
児童書でも、少女小説でもない、大人の心豊かな文学『赤毛のアン』。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
91
子供の頃、大好きで繰り返し読んだ作品。松本侑子さんの新訳が気になってずっと読みたいと思っていました。子供の頃はアンとダイアナの遊びに憧れました。特にいちご水は再現したくて仕方なくて、友達と一緒に赤い水を作ろうと桑の実やザクロなど色々試したものです。懐かしい思い出に浸りながらも今回は自分が大人になった分、マリラやマシュー、リンド夫人などアンの周りの大人達の心遣いや優しさが胸に沁みました。特にマシューとの別れの前日にアンに寄せられた言葉、残されたマリラの心情吐露は涙なしには読めません。2020/10/12
ジュン
72
新潮文庫の方と読み比べしながら読みました。こちらの方が時間がかかったのは、巻末ノートが長かったから。圧巻はこの巻末ですね。翻訳者の熱意を感じました。アンはケルト族だったんだ…この本を読むまで知らなかった。よく調べてみるとプリンス エドワード島はケルト族の人が多く移民した地域なんですね。それでアーサー王とかシェイクスピアの引用が多いのか〜と納得。それを知るともっとアンの読み方が変わる気がします。勿論、慣れ親しんだ村岡訳も良いのですが、巻末ノートを参照しながらの読書も楽しい体験でした!読んで良かった👍2025/08/14
さら
57
『赤毛のアン』は愛読書の一つです。村岡さん以外の訳はどうなのだろうと読んでみました。当然ですが大きな違いはなかったです。注釈が多くあり、今までとは違う見方も出来て勉強になりました。年月と共に感情移入の対象が変わりますね。アンの成長した姿に幼かったアンがもういない寂しさに泣いてしまうマリラに泣けました。アンは次から次へと騒動を起こします。でも子どもは皆、大小の違いはあっても問題をおこしながら成長していきますよね。マリラとマシューが遅い子育てにあたふたしながら、アンに愛情を注いでいく過程が本当に大好きです。2021/08/22
あたびー
54
松本侑子版シリーズがとうとう完結されたので読み始めた。村岡花子版では何十回も読んでいるが、中年以降はご無沙汰していたアン。今読むと、自分が易々とマリラの気持ちに寄り添えるのが分かる。訳者が長年苦労を重ねて積み上げてくださった膨大な解説により、余り知らなかった引用や、習慣など様な事を知ることが出来た。(長老派では元々クリスマスをキリスト生誕祭とは認めていなかったとか)美しい自然描写、緻密なキャラクター設定、どれをとっても超一流の小説だと改めて思った。2024/01/15
SOHSA
45
《購入本》村岡訳は何度も読んだが、今回、知人の勧めで本書松本侑子全訳版を手に取った。当初に感じたやや固い印象はすぐに消え、瞬く間に物語の世界へ引き込まれた。やはり不朽の名作。「赤毛のアン」は訳者が述べるように愛の物語であり同時に成長の物語でもある。学生時代はアンの目線で、年齢を重ねた現在ではマシューやマリラの目線で。アンだけでなくマリラの親としての成長もまた微笑ましい。親にとって子の成長は喜びと共に一抹の寂しさもある。読後、私の息子の幼い頃の情景がふと蘇った。まさに『神は天に在り、この世はすべてよし』か。2025/11/10




