文春文庫<br> 炉辺荘のアン

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文春文庫
炉辺荘のアン

  • ISBN:9784167917890

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内容説明

日本初の全文訳・訳註付『赤毛のアン』シリーズ第6巻

アン34歳、美しい村の炉辺荘(ろへんそう)に暮らす。
三男三女のわが子に慕われる母の喜び、医師の夫ギルバートを愛し愛される妻の幸せ、平穏な日常を生きる安らぎ、子どもたちの成長と冒険
。モンゴメリの生前最後に刊行された、記念すべき愛の傑作。

●アンの幸せな生き方
「普通の日というものはないのよ。どんな日も、ほかの日にはない何かがあるんですもの」
『炉辺荘のアン』第3章

●特徴1-日本初の全文訳
モンゴメリが、少女時代の男友達ウィル・G・プリチャードに捧げた「献辞」に始まる、日本初の全文訳。
従来訳で省略・改変された部分をモンゴメリの原書通りに翻訳。

●特徴2-巻末訳註で、約530項目について解説
作中に引用されるシェイクスピア劇、ミルトン、テニスン、キプリングなどの英文学、マザーグース、聖書の名句、移民国家カナダにおける登場人物の民族、ケルト、人名の意味、家政婦スーザンが作る料理と菓子、手芸、草花、動物、妖精、衣服、諺、音楽、カナダの地理と歴史、船舶、キリスト教など、本文中の約530項目について解説。
この長編小説の豊かな世界が存分に楽しめる。

●特徴3-口絵写真11点と地図2点
カナダと英国で訳者が撮影した本作ゆかりの写真11点を掲載。
炉辺荘のモデルの屋敷の外観と内部。アンとギルバートが旅すると書かれているスコットランドの丘とメルローズの修道院跡、イングランドのアヴォン川、シェイクスピアが眠るアヴォン河畔の教会、モンゴメリが本作を書いたオンタリオ州の家。
プリンス・エドワード島北海岸とカナダ東部の地図2点。

●特徴4-あとがき……小説をより深く味わうために
一、モンゴメリの生前最後に刊行された本、アンが主人公のシリーズ最後の巻
二、小説の舞台……グレン・セント・メアリ村、炉辺荘
三、登場人物……六人の子どもたち、家政婦スーザン、クリスティーン・スチュアート
四、全四十一章の構成
五、本作第33章~ピーター・カークの葬儀、類似する別の短編小説「報復」
六、家庭生活の喜び~菓子と料理、手芸と庭作り、動物たち
七、キリスト教の教えを伝える母アンの人生は「生きている使徒書簡」を書くこと
八、本作を捧げた男性ウィルはギルバートのモデル
九、本作執筆時の六十代半ばのモンゴメリ
十、アンの生涯、「人生のささやかにして甘美なものはすべて、その道に撒かれている」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さつき

79
アンシリーズも6冊目になると、成長期の子供達がメインになってきます。昔読んだ時はお母さんになったアンにはあまり興味が持てなかったけど、今の私にはまさにドンピシャ、同じような年代になりました。イヤなおばさんや強烈な個性の隣人達など大人になったからこそ分かる味わいもあり楽しく読みました。次巻からは主役はアンの末娘リラになります。そう思うと、この巻の最後が愛する家族の寝顔を見るアンで閉じる事にしみじみ。子供の寝顔って本当に可愛いですから。巣立つ日が来ることを思い目頭を熱くしながら読み終えました。2022/01/28

あたびー

46
解説によれば、アンシリーズ6作目の本書は、実際にはモンゴメリ生前最後に出版された本らしい。つまり時系列的にはこの後に来る、もっと成長した子供たちの話は、本作よりも前に書かれているということだ。アンの子供たちの幼い日々。子供にとっては大問題の微笑ましいエピソードが各章を飾っている。また、この作品の舞台はWWIより前だが、執筆された時期はヒトラーが台頭し再び軍靴音高くなる頃。先に出ている本に描かれたアン一家の運命を伺わせる表現もあり、幸せの中に不安も感じさせる。2024/04/01

信兵衛

22
47年ぶりに読んでみると、本作、「赤毛のアン」と対称的に描かれていると感じます。2023/01/21

まゆみ

14
アン34歳から40歳。作家モンゴメリ65歳生前最後に発行された作品。以前に発行されたアンの子供たちの幼い頃のエピソードを交えながら、母としてのアンが描かれる。時には感情的になるところを垣間見えるところが安心(笑)理不尽に叱ることはなく、子供たちの想像力に感嘆し、常に寄り添う包容力に温かさを感じます。子育ての哲学あり。そして夫婦としての関係性は、最後のエピソードとして面白くて幸福に満ち溢れ、やはり、アンは、アンでした!2022/05/27

本の蟲

14
引き取られ先の村グリーン・ゲイブルズを舞台にした「赤毛のアン」から地元での教師時代、その後の大学進学とギルバートとの恋、教師として赴任した先での婚約時代、新婚生活時代をへて、今や6人の子持ちになったシリーズ6作目。アン一家の物語はまだ続くが、本作が「~のアン」とタイトルに名前が入る、アンが主人公最後の長編。といってもこれもほぼ子供たち視点のエピソード中心。アンもすっかり落ち着いた女性になったが、若者の縁結びに暗躍したり、些細な誤解に苛立ったと思えば、真相に手のひら返したりとお茶目でお騒がせな所は変わらず2021/12/11

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