内容説明
圧倒的な兵力の違いにもかかわらず、緒戦で大勝した孫軍。しかし、曹操軍に持久戦に持ち込まれてしまうと膠着状態に陥る。このままでは孫軍にとって圧倒的不利な中、兵士たちの士気も弱まり、脱走兵や曹操軍へ寝返る者も出てくる。追い詰められた孫権軍の周瑜は偽装投降による火計をもくろむ。これに対して先々代から孫軍に仕えてきた老武将・黄蓋は悩みに悩んで苦悶する。それでも信じた周瑜の策の結末は……。赤壁の戦い、クライマックス!
目次
序
膠着状態
静けさの下で
凪ぎの風景
暗流
火計
風が動く
華焔、江を薙ぐ
東呉夜話 第三夜
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はな
23
赤壁の戦い完結。三国志の中でも超有名とされるこの戦いすら何の知識もなかったので、純粋に物語として楽しめました。膠着状態となり、次の策も決まらず脱走兵や曹操軍へ寝返る者も増え、追い詰められていく孫権軍。そして偽装投降からの火計を決行することに。本当にギリギリまで悩む黄蓋とそんな彼を全て知った上で信じ抜く周瑜から目が離せませんでした。陸遜も良かったなぁ。甘寧と呂蒙のやり取りも和んで好き。とてもおもしろかった!読みやすかったし、全然興味なかった三国志がちょっと気になる存在になりました。2018/07/06
だてこ
8
赤壁の戦い終了!呉の勝利!結末は知っているけど、最後までハラハラしながら読みました(笑)周瑜の西への想いが切ない。この後劉備と諸葛亮にまんまと西を取られちゃうからね、、そして周瑜も、、、そういえば周瑜の咳の描写がなかったな??周瑜の最後までは描かないからいいのか。さて次巻はいつが舞台になるのか。楽しみ!2022/04/02
星落秋風五丈原
6
朝香三国志。劉備と同盟を結び、曹操との決戦に挑んだ孫権軍。だが、曹操が持久戦の構えを見せ、戦況は膠着状態に陥っていた。脱走兵や敵に寝返る兵が相次ぎ、東呉軍は次第に追いつめられていく。ついに周瑜は、脱走兵を装った決死隊を送り、一気に劣勢をくつがえす奇策をとった。だが、決死隊に選ばれた黄蓋には、以前から曹操軍の間諜が接触していた…。 2001/02/12
あも
3
赤壁の戦い決着。朝香三国志はあくまで正史の記述に沿って進んでいくので、三国志演義の創作である苦肉の計はなし。初戦に勝利も、事態は膠着。となると体力に勝る方がじわじわと有利になっていくのは古今東西自明の理。ということで局面を打開する方策が必要となるが…偽装投降による火計をもくろむ呉軍。偽装投降を本当の降伏にすべきかと懊悩する黄蓋の葛藤がメイン。弱気な黄蓋はあまり既存の三国志ものでは見ないので新鮮。黄蓋が悩んでいるのを知ってあえて全てを任す周瑜の度量は格好良いが、朝香周瑜はもっと意思や覇気を全面に出してくれ。2016/06/07
ふく
1
前作を読んでからちょっと空いてしまったけどようやく読了。ちと登場人物がごっちゃになってしまうけど、話の流れがスムーズなので問題なし(^-^)ストレスなく読めた。孫策不在はやはりちょっと寂しいけど、このシリーズにはまってたときは悲しすぎてきっと一生読まないと思っていたから、縁あって読めてよかったな。貸してくれた友人に感謝。2017/02/12