内容説明
あるところで泥棒が捕まった。それは単なる泥棒だったのだが.問題は「屋台」を引いて盗む先を物色していたことだった。ほかにも屋台泥棒はいるらしい。屋台全部が容疑者ということもあって奉行所も手をこまねいていた。事件が大事になると「屋台自体を禁止」となりかねないからである。そんなとき.月也のもとに深川の屋台を束ねる「永代の甚吉」という親分が尋ねてくる。屋台泥棒のことは屋台の人々としても解決したいということだった。奉行・筒井政憲は.沙耶に屋台を引かせて犯人をさぐることを考える。そして沙耶が選んだのは「握り寿司」の屋台であった。男装の沙耶が月也とともに屋台を引く。牡丹とおりん。おたま.音吉が手伝うということになった。泥棒は盗賊とちがって単独犯である。しかし単独犯でも複数いればもはや集団といっしょであった。しかもちょっと屋台を休んでいる間に盗んでいるようなのである。現場を押さえるためにも屋台を引くしかなかった……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ツン
97
いつもより少しだけ、月也がかっこよかった気がする。沙耶が無自覚過ぎて、牡丹が大丈夫かなって、少し心配になった。2022/08/12
kei302
59
今回も面白かった! と言うか、これまでで一番面白かった。月也はもう「ぼんくら」じゃない。人がよすぎるけど。牡丹の成長した姿も知りたいから、このシリーズ、まだまだ続いてほしい。2022/07/26
nemuro
45
既読は読メ登録直後の①『大正野球娘。』(2009年1月読了)に始まり相当な期間を空けて②『うちの旦那が甘ちゃんで』(2020年12月読了)から③『捕り物に姉が口を出してきます』(本年6月読了)まで15冊。①以外は時代小説。坂井希久子の<居酒屋ぜんや>シリーズ全10巻を読み終えた頃、②に遭遇。まるで後継シリーズの如し。時代小説とは思えぬ軽快なタッチでサクサク。「特別編」・「鼠小僧次郎吉編」(2022年5月読了)に続く本書に着手のその日、久々の「いわた書店」(砂川市)にて次巻を発見。こんな巡り合わせが愉しい。2024/09/12
ゆずぽん
25
月也への指令、屋台泥棒を捕まえるべく夫婦屋台になった沙耶と牡丹。さて泥棒は捕まるのか?月也はやきもちを焼いていただけで、下手人は捕まっちゃった(笑)相変わらずホンワカとした二人。夏のメニューはどれも美味しそうで、今日にでも試してみたい。西瓜の皮の鍋って冬瓜みたいになるのかな?2022/08/04
たぁ。
19
「おまえ、いい人だな」という月也ご本人が、本当にいい人でほのぼの癒されます。月也がだんだんぼんくらじゃなくなってしまうことが、ちょっと寂しい。 夫婦屋台の、夫:沙耶と、妻:牡丹の夫婦の掛け合いをもっと聞きたかったです。2023/01/12
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