内容説明
静香というよき伴侶とともに初めて迎えた正月、平手家の門前に鳥追の女が現れた。おつたと名乗るその女は七年前、無理心中を強いられ苦しんでいたところを、又兵衛の父に救われたのだという。だが父又左衛門が亡くなったのは十一年前。困惑する又兵衛だが、この出会いをきっかけに、父の死の真相を知ることとなる――。怒りに月代朱に染めて、許せぬ悪を影裁き。時代小説界の至宝、坂岡真が贈る、令和最強の時代シリーズ第四弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
95
シリーズ4作目にも3つの話が収められています。しかしながら後の2つの短篇はつながっていて、主人公の父親の死に関するものです。ある鳥追いの女性から、主人公の父親の7年前に救われたという話が出てきます。実際には11年前に無念の死を遂げているのになぜか?という疑問から過去の陰謀めいた話が明らかになり、父親の敵を果たします。やはり長くなると話の内容が結構濃くなって楽しめます。2025/02/11
やま
79
南町奉行所例繰方与力で香取神道流を極めた剣客・平手又兵衛の活躍を描いた物語です。 例繰方とは、江戸時代、町奉行所の一部課で。判例を整理し判決録の保存を主任務とし、また、必要な場合には先例の調査にも当たった。 展開が早く、最後は又兵衛の剣が全てを始末する。痛快です。 此度は、釣り鐘小僧、密命にあらず、父の執念、の短編3話からなっています。その中でも「釣り鐘小僧」が良かったです。🌿①➁へ続く→2022/01/23
ひさか
15
2021年11月双葉文庫刊。書き下ろし。シリーズ4作目。釣り鐘小僧、密命にあらず、父の執念、の3つの連作短編。父の死に隠された謎を解決する「密命にあらず」、「父の執念」の2篇が圧巻。この巻まで続いたワンパターンの話は、この2篇を盛上げるための布石だった!(にしては長すぎるが)…。香取神道流の又兵衛が和泉守兼定で悪を成敗するくだりが楽しい。2022/02/23
ゴルフ72
13
又兵衛がやっと静香さんと祝言を上げた前回から今回の第4巻も祝言のよすが描かれている。二人の幸せを祈りつつも…最大の関心事であった父の仇を討つまでが描かれている。かなり複雑に絡み合った糸が少しづつ解かれ守山豊後守との対決・・・それは鳥追いのおつたがもたらした一言から繋がった。読み応えがあったねぇ。さあ期待しながらの次号へ 2023/05/19
Tatsuhito Matsuzaki
12
又兵衛に勘定奉行から隠密御用の命が下る。 調べを進めると父の不審死につながる過去の密命が明らかになり、又兵衛自身にも命の危機が迫りくる…。 今作では、普段感情を内に秘めている又兵衛が上司に激昂したり恩人の言動に号泣したり、はたまた普段は頼りにならぬ上司たちが、何故か又兵衛の窮地を救ったりと、途中からは目まぐるしい展開に息つく隙無く読了しました。 それにしても、これだけの大事件が起こったのに又兵衛が褒められも処分もされず、事件自体も表沙汰にされずに普段通りの日常に戻るところが小説らしいところではありますね。2024/04/12
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