内容説明
お勝たちの隣の部屋に住まう、彦次郎とおよしの夫婦。古くから『ごんげん長屋』に暮らし、賑やかな住人たちを温かく見守る穏やかな二人の元へ、常陸国から一人の男が訪ねてきた。男を追い返すとともに、慌てて長屋を引き払おうとする彦次郎たちを引き留めたお勝は、老いた夫婦の哀しい過去を知ることになる――。くすりと笑えてほろりと泣ける、これぞ人情物の決定版。時代劇の超大物脚本家が贈る、大人気シリーズ第三弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
87
ごんげん長屋つれづれ帖「望郷の譜」3巻。お勝さんの実の息子の登場にはびっくりし、長屋に住まいする人達の入れ変わりにもビックリでした、次巻はどんな騒動やビックリが起きるのか楽しみです。 2022/01/27
タイ子
84
ごんげん長屋シリーズ第3弾。これまでで今回が一番良かった、泣けた。ますます好きになるお勝さん。仲良く暮らす長屋の住民にも知られていない過去があり、それが明るみに出たからってそれがどした、元気でいればいいさと肩の一つもたたけば全てが消える。それで片がつかなきゃ、お勝さんの出番なり。でもね、忘れられない故郷への想いと置いてきた子供のことだけはどうにもならないんだよね。25年ぶりに逢えた息子と暮らす日を前に長屋のおよしさん、逝っちゃった。血は繋がらないけどお勝さんちの3人の子供たちの成長が楽しみ。続編も期待!2021/09/20
やま
78
お江戸は根津権現社の近くの「ごんげん長屋」に住まいして、お琴13才、幸助11才、お妙8才の3人の孤児を引き取り女手ひとつで育てるお勝39才は、女ながら質屋「岩木屋」の番頭を務めています。そして21年前に旗本二千五百石建部家の当主の手がつき、今年20才になる源六郎を生むと、屋敷を身一つで追い出された悲しい過去があります。展開が早く、お節介のお勝の細やかに大胆な心配りがよく表れた、丁寧な作品になっています。シリーズ3作目。字の大きさは…中。2021.10.22~23読了。★★★☆☆2021/10/23
のびすけ
27
シリーズ3作目。質舗「岩木屋」の番頭のお勝と、ごんげん長屋に暮らす面々の人情話の連作短編。副題にもなっている「望郷の譜」がよかった。長い間離れ離れだった息子と一緒に故郷で暮らすという想いを果たせなかったおよしが切ない。お勝自身は、実の子・源六郎が登場したり、長屋の住人から突然求婚されたりと、今後の展開が楽しみ。2021/10/18
tomtom
20
長屋の住人が入れ替え。新しい住人もいい人そうで今後が楽しみ。およしは最後の最後に息子に会えて、しかも誤解が解けてから逝くことが出来て本当によかった。お勝は子どもと出会ってしまった。この先何か起こってしまうんだろうな。2022/06/24