内容説明
根津権現社にほど近い谷中三崎町の寺で、行き倒れの若い女が見つかった。女は激しい折檻を受けていたらしく、医師である白岩道円の屋敷に運び込まれたという。目明かしの作造から、女がうわ言で、娘のお琴への詫びを口にしていたとの話を聞いたお勝は、女に事情を質すべく、道円の屋敷に足を運ぶのだが――。くすりと笑えてほろりと泣ける、これぞ人情物の決定版。時代劇の超大物脚本家が贈る、大人気シリーズ第八弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
76
シリーズ第8弾。江戸は根津権現社に近い長屋に住むお勝と子供たち。今作は慌ただしい年末年始にかけてのごんげん長屋のお話。お勝の幼馴染の沙月の道場に子供たちを連れてお泊りに行ったお勝。息子の幸助が剣術にハマったはいいが、お勝の別れた実の息子(極秘の存在)が稽古をつけてくれるという。これは焦る、マズイ。どうなるこの始末。そして、お琴の実の親の存在と迷い子になった理由が判明。切ないけど事実が判って良かった。そんな時、お栄という女性が失業して彷徨っていた。お勝のおかげで長屋に新住人。出会いと別れ、これぞ人生。2024/03/26
ときわ
7
特別にすごい事件が起こるわけではなく。でも住人にとっては何だかんだ色々あり。お勝さんは自分のところに飲み込んだり、誰かに伝えたりといつもながら調整役をやっている。お琴のことをずっと抱えてきたおひわさんは哀しいね。もしそのまま離れなかったとしてもお琴は今以上の境遇になれたかどうか・・・。元気なお栄ちゃんとのこれからが楽しみだ。2024/04/17