内容説明
古今の詩句を借りて,それらをあるゆるやかな連結方法によってつなぎとめながら,全体として一枚の大きな言葉の織物ができ上がるように,それらを編んでみたい――.詩人の企ては朝日新聞コラムが次々に新書に編まれることによって果たされ,広範な読者に迎えられている.本書はその五枚目の「織物」.一九八五年一年間の新聞連載に加筆.
目次
春のうた┴夏のうた┴秋のうた┴冬のうた┴あとがき┴作者略歴(兼キーワード)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
23
1985年の1年間に連載されたものを収めています。これらの歌は大岡さんが書かれたその時代状況はあまり反映されていません。どのような基準で歌を選ばれているのかといつも感じていました。浮世を離れて詩歌の世界にふけるのも時たまあってもいいのでしょうね。2014/09/28
misui
6
「春の日やあの世この世と馬車を駆り」(中村苑子)、「空をゆく一とかたまりの花吹雪」(高野素十)、「閉ぢし翅しづかにひらき蝶死にき」(篠原梵)、「夜にして思ふことありありがたき陽の脈搏の中を通りき」(佐藤佐太郎)、「少年来る無心に充分に刺すために」(阿部完市)、「みほとけの千手犇く五月闇」(能村登四郎)、「しぐるるや駅に西口東口」(安住敦)、「天体を廻はすにあらぬ腕あげてさびしき伸びをしたる少年」(安永蕗子)、「耶蘇誕生会の宵に こぞり来る魔の声。少くも猫はわが腓吸ふ」(釈迢空)2017/05/11
アリョーシャ
1
第四を読んでから間が空いてしまった。久しぶりに読んだので、心への響き方が鈍かったように感じた。2018/09/06
丰
0
Y-202006/03/20