内容説明
一九七九年から「朝日新聞」の一角を占め始めた小さなコラム「折々のうた」.それはたちまち大反響をよんだが,筆者の企てた〈日本詩歌の常識づくり〉は,新書という形をとって実を結びつつある.広く親しまれている俳句・短歌から知られざる歌謡・川柳・現代詩まで,多彩な作品の心を伝えるシリーズ.一九八四年三月まで一年分を収める.
目次
春のうた┴夏のうた┴秋のうた┴冬のうた┴あとがき┴作者略歴兼キーワード
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
13
昭和59年3月までの1年間に掲載されたうたが収められています。あまり時勢には関係ないので、どこを読んでも楽しめます。ほかの本と異なって時たまぱらぱらと読むだけなので1冊を読み切るのに時間がかかります。大昔の万葉集から現代まで関係なく取り上げられているのが楽しいですね。2014/09/10
misui
2
「魚介等が一夜の愛のこと終へてしづまれるさまに海明けてをり」(鈴木幸輔)、「ぶつかる黒を押し分け押し来るあらゆる黒」(堀葦男)、「美しき緑走れり夏料理」(星野立子)、「またひとり顔なき男あらはれて暗き踊りの輪をひろげゆく」(岡野弘彦)、「鮎落ちて美しき世は終りけり」(殿村菟絲子)、「雪の夜の紅茶の色を愛しけり」(日野草城)、「あかつちの/くづれた土手をみれば/たくさんに/木のねつこが/さがつてた/いきをのんでとほつた」(八木重吉)2017/05/09
アリョーシャ
2
折々のうたを、無印、続、第三、第四と読んできて、今回は気に入ったうたが最も多かった。これは、選ばれたうたの質が高いのか、読んでいる自分の感覚が研ぎ澄まされてきたのか。ネタ切れを起こす気配はまったくない。この先も楽しみだ。2017/01/10
丰
0
Y-202004/04/25