内容説明
歴史を改竄する魔法具エルテリア。その魔法具を奪取しようと、オスカーたちに更なる陰謀がしかけられる。今はもう存在しない無数の歴史の上で、二人が知る真実とは――。人の尊厳をかけた問いに向き合う最終巻!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
46
ティナーシャの退位とオスカーとの結婚の日が迫るなか、再び周囲で怪しげな事件が頻発し始める第六弾。ある娼館で歌われる『聴くと死ぬ歌』、原因不明に村が滅ぶ事件、昏睡状態となったマグダルシア王の代わりに立った魔女の正体、オスカーの昔の女事件。そして歴史を改竄する呪具エルテリアを奪取するため、ヴァルトにより巧妙に仕掛けられる罠。再構築される時間を巡るあれこれは、ティナーシャに様々な葛藤を突きつけましたけど、オスカーはこういう時ほんと迷いませんよね(苦笑)一歩間違えると笑えないその距離感も二人の絆あってこそですね。2021/04/15
わたー
33
★★★★★呪われた王子と青き月の魔女の物語完結。オスカーの過去に改変の影響があったことから、手放しでハッピーエンドとはいかなかったものの、彼らの恋の物語を締め括るに相応しい内容になっていたと思う。ああ、でも、願わくば、滅びを免れたトゥールダールの面々に囲まれた幸せな結婚式を見たかったかな。続編の刊行も決定したようで、WEB版の読者を見る限りここからが本番のようなので、人の心がわからない著者に怯えながらも楽しみに待ちたいと思う。また、漸く、バベル2巻のアレが腑に落ちたことも個人的には収穫だったかな。2021/04/21
陸抗
20
最終巻。二人の無茶もここまで来ると突き抜けていると言うか、この結末のための布石だったのだから仕方ないと言うか。幸せで残酷な夢を見たと思えばいいのかしら。一番楽しみにしてた部分を取り上げられてしまったのは、残念。手放しで喜べないラストだけど、続編も出るようなので楽しみにしてます。2021/04/25
kitten
19
図書館本。UnnamedMemoryAct2完結編。ちょっと、前に読んだ内容を覚えていないなぁ。終盤はこの話が終わるのが寂しくなってしまった。これは、物語を記憶しているうちに6冊続けて読んでしまう方がよいな。ティナーシャとオスカー、二人の掛け合いは、時代によって変わるところもあるけれども、本質はかわらない。基本、敬語のティナーシャがツッコむときだけタメ語なのが好きだった。評価、星32021/08/01
日坂愛衣
19
なんとなく実感がない結末、でも良かったと思う。これは本当に長い旅、世界はようやくまだ一つに収束する。例え内部者達は王と5番目の魔女のすべてを忘れるでも、外部者の俺達はきっと彼らの物語を語り継ぐだろう2021/04/18