内容説明
「永らくお待たせいたしました、王よ。貴方の魔女です」
世界外から来た呪具を破壊するため、大陸中を旅するオスカーとティナーシャ。けれどその一方で、かつての祖国ファルサスには不穏な影が生まれつつあった。
突如、隣国を侵略したファルサス国王ディスラルは、城都に来ていたティナーシャを見つけると、王家の直系魔法士たちを殺すよう命じる。それは宮廷を揺るがす凄惨な事件の幕開けで――。
歴史の陰に葬られる逸脱者の戦いが、今語られる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
35
世界外から来た呪具を破壊するため大陸中を旅するオスカーとティナーシャ。けれどその一方で、かつての祖国ファルサスには不穏な影が生まれる新章第二弾。突如、隣国を侵略したファルサス国王ディスラルが城都に来ていたティナーシャに求めた過去の清算。ファルサスでの凄惨な事件に直面した自分たちがどうあるべきかという覚悟。そこから大切なものを取り戻すまでのオスカーが積み重ねた日々には正直気が遠くなりましたけど、何よりお互いに対する強い想いや、揺るぎない絆をひしひしと感じさせる二人の関係性の凄みが改めて浮き彫りになりました。2022/12/15
kitten
12
図書館本。UM.後日談の2巻。相変わらず、人の心のない作者だなあ、と思いながら。この設定ならどこまででも話を描き続けられるなあ、と感心する。時代や舞台をコロコロ変えていけるから、前の話との繋がりもそんなに気にしなくていいし。BaBelとの繋がりもあるみたいだけど、細かいとこ覚えてないな。ティナーシャとオスカーの二人が、また新しい関係、恋愛をやり直すところが楽しい。冷静に考えれば、本編でもやったんだよね、恋愛のやり直し。評価、星32023/11/08
ちゃか
7
王と魔女の長い旅路を描く、後日譚第2編。新鮮なオスカーの姿が見られたかなぁと思う一方、それはつまり、彼らが今までにない状況に置かれたということで……面白かったという前提の上で、胸が痛んだ。好きですけど!!2022/12/16
らっこ
3
死ぬことや再会することの意味とか考えない日常を求めたいのに、初っ端の後悔からやりきれなさがすごかったです。色んな国の話が読めるのはこの構造のおかげとはいえ…。ちょくちょく言及されてたディスラルの話は面白かったし、正体を隠蔽したまま展開する話は誰が何を隠しているのかも気になりぐいぐい読めました。もちろん束の間の平穏は大好物。強靭なポジティブ精神を持つ王子もいいキャラしてましたね。2023/11/08
史
3
呪いに翻弄されて、思いで留めて、記憶に打ち勝つ。2023/06/05