内容説明
深川の寺社が相次ぎ押し込みに襲われた。どれも有り金を奪われ、皆殺しにされた凄惨なものだった。一月前にも置屋の主人夫婦が殺され、金品が強奪される事件が起きていた。その置屋から船頭と駆け落ちしたお登喜が、三年振りに深川に戻ってきたのを目撃されて―。深川鞘番所支配の大滝錬蔵は、十年前にも同様の押し込みがあったことを突き止めたのだが…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
91
深川鞘番所シリーズの12作目「新・深川鞘番所」シリーズ(第二期)の2作目。 2018.08発行。字の大きさは…小。 深川鞘番所北町組支配・大滝錬蔵が悪を裁く。 此度は、祠堂金貸しで大儲けしている寺院を、次々に押し入り皆殺しにする盗賊・蝮の勇五郎一味を斬る。 一味の中に、お紋の妹芸者をしていたお登喜と恋仲の佐助を助け、明日への希望を…。 悪に対しては容赦なく剣をふるう錬蔵だが、お紋をはじめ心許した人達への細やかな情愛が感じられる今巻です。 次作を楽しみにしています。2020/04/28
Kira
6
図書館本。シリーズ第二弾。高利貸しで金をためこんでいる寺が押し込み強盗にあい、僧侶たちが斬殺される事件が立て続けに起こる。寺社で起きた事件は支配違いのため、錬蔵たちはひそかに探索を始める。作者の吉田氏はかなり高齢な方だと思うが、ここ二年の間に新シリーズをいくつか精力的に出している。錬蔵とお紋が結ばれるまで、作者には長生きしてもらいたいと思う。 2020/07/09