内容説明
深川大番屋支配大滝錬蔵は、富岡八幡宮で小粋な女掏摸お俊を助けた。掏った巾着に入っている奇妙な書付を取り戻そうと、胡乱な男たちにいたぶられていたのだ。錬蔵はお俊を大番屋に匿うが、男たちは執拗に追い続ける。そんな折、巷を騒がす盗賊夜鴉の重吉捕縛命令が錬蔵に下る…。江戸の無法地帯深川で健気に生きる庶民のため、鉄心夢想流“霞十文字”が悪を断つ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kira
6
図書館本。シリーズ第二弾。大滝錬蔵が富岡八幡宮の境内で助けた女掏摸のお俊がすり取ったものは、奇妙な線がいくつも描かれた三枚の書き付けで、命を狙われることになったお俊を錬蔵は鞘番所内にかくまう。同じ頃、火盗改方も手こずっている盗賊夜鴉の重吉を捕縛せよ、との命令が錬蔵に下る。この巻では、錬蔵をめぐってお紋とお俊が火花を散らすが、肝心の錬蔵が「女はどうも苦手だ」とぼやくのが笑える。錬蔵に一目置いた深川の実力者藤右衛門がすぐれた脇役で、このシリーズになくてはならない人物だという気がしてきた。 2019/06/09
あき
2
今作も面白かった。前原さんがどうなるかとやきもきさせられたけど、過去にけりをつけられたようで良かった良かった。「深川で探索するには粋が足りない」って安次郎の言葉が深川をよく表していいねえ。御支配がモテるのもいいけど、安次郎と前原さんにも早くいい人が出来るといいな。2021/12/22