内容説明
日露戦争の後におこった自然主義運動、そしていまなお読者をひきつけてやまない夏目漱石、森鴎外、白樺派の同人たち。近代小説の形成と発展を描く。
自然主義/夏目漱石/森鴎外/白樺派
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
19
自然主義・漱石・鴎外・白樺派。ここまで時代が下ると知っている&既読の作家が多くて楽しい。個人的にはもっと倉田百三に触れてほしかった。あと漱石派・鴎外派というふうに読者の好みが分かれるというのには首肯。読んでいる間非常に充実した気持ちになれた巻だった。やっぱり古い本は好き。2012/04/06
ken
4
自然主義、漱石・鴎外、白樺派、プロレタリア。客観的リアリズムを徹底した自然主義の中で「神秘的半獣主義」という自身の哲学を決然たる態度で主観的に作品化する岩野泡鳴はもはや浪漫主義でしょ。楽観的な人道主義で人間の苦悩の「く」の字も知らないぼっちゃん集団白樺派の中で、自己欺瞞を捨て自己の罪悪と徹底的に向き合った果てに自殺した有島武郎ももはや浪漫主義でしょ。芸術性とは無縁でアジプロを第一義とするプロレタリア文学の中で、アジプロ要素が薄く芸術的に優れた作品を残したという黒島伝治もどうなのよ。積ん読本が増える増える。2017/04/17
tieckP(ティークP)
3
近代日本文学のピークと言える自然主義・漱石鷗外・白樺派を扱った一冊。自然主義は態度が多様とは言え結局は主義との関係性においてのみどの作家も価値を持ち、逆に白樺派は互いに文体に影響を与えないレベルの個性が意味を持っているのが分かる。白樺派でも有島の(しかも作風というより)人生に頁数を割いているのは、ほかの白樺派についてはその内実が単純に説明できるということだろうな。確かに武者なんか僕は好きだけどバカに単純だし。漱石の長編について全作に個人としての価値判断を下しているところは評論家としての気概を感じて良い。2018/09/07
もだんたいむす
3
みんな大好き、夏目漱石。★★★★★2017/03/19
fantamys
2
えっ、あれっ、ってなるところもあるけれど、やはり異邦人でありながら各時代を通して冷静な目で批評、解説できるこの人は凄い2024/02/25
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