ちくま新書<br> 昭和史講義【戦後篇】(下)

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ちくま新書
昭和史講義【戦後篇】(下)

  • 著者名:筒井清忠【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 筑摩書房(2020/08発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
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  • ISBN:9784480073419

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内容説明

最先端の研究者が、一般読者に向けて実証研究の最新成果をわかりやすく説き明かす昭和史講義シリーズ・待望の戦後篇。下巻では、高度成長時代の端緒となった石橋内閣からバブル期、昭和の終焉までの時期を扱う。岸内閣と安保改定、東南アジア外交や日中国交正常化、日韓基本条約、沖縄返還などの外交問題から、政官関係、東京五輪、全共闘運動、公害・環境や歴史認識、石油危機、新自由主義といった国内政治・経済の諸問題までを21の多彩なテーマで詳説。戦後史入門の決定版。

目次

まえがき……筒井清忠
第1講 石橋湛山内閣──高度経済成長への序曲……牧野邦昭
経済(思想)史の中の石橋湛山内閣
戦後復興期の大蔵大臣
日本の「自立」のための国内開発
通産大臣としてのエネルギー政策
高度経済成長の「序曲」としての石橋内閣
第2講 安保改定……五百旗頭 薫
重光葵の挑戦とその教訓
何を考えるか
暫定措置の暫定修正を目指して
条約改正への拡大
行政協定改正への拡大
安保改定の実現
密約
三つの答
第3講 安保闘争と新左翼運動の形成……駄場裕司
六全協ショック
全学連再建と第二次砂川闘争
トロツキズム運動の発生
日本共産党との決別
田中清玄と島成郎の関係
「反米」か「反岸」か
第4講 岸内閣の内政と外交……城下賢一
岸信介の歩みと政治信条
保守合同の中心的指導者
持続的な経済成長と国民生活の保障──一九五七~五八年前半①
安保再検討の提起とアジア外交──一九五七~五八年前半②
前進する安保改定の波紋と順調な経済政策──一九五八年後半~一九五九年前半
安保改定の成功とその代償──一九五九年後半~一九六〇年前半
第5講 対東南アジア外交の展開──一九五〇~六〇年代……宮城大蔵
対東南アジア外交の重要性
ロムロ演説が与えた「痛み」
バンドン会議と日本
賠償交渉という難題
インドネシアへの関与と東南アジアの政治変動
「独立の完遂」から「開発」へ
第6講 池田内閣と高度経済成長……藤井信幸
池田内閣と冷戦
経済計画と高度成長
月給二倍論と国民所得倍増計画
新経済政策と対米関係の修復
二重構造と貿易の自由化
太平洋岸ベルト地帯の形成
高度成長のメカニズムと所得倍増政策
第7講 政治家・官僚関係の新展開──一九五〇~六〇年代……牧原 出
各省分立・人事介入・憲法の運用
内閣官僚の解体と「原局マン」主流の幹部人事の登場
日本国憲法の作動開始
一九五五年体制の成立と政治からの人事介入
統治機構改革構想と政策決定手続の制度化
第8講 日中民間貿易と国交正常化……井上正也
「友好史観」を超えて
一九五〇年代の日中民間貿易
日中断絶期の再検討
準政府間貿易の時代
文化大革命と日中民間貿易
日中民間貿易は国交正常化に貢献したのか
第9講 東京オリンピック……浜田幸絵
幻の一九四〇年大会との連続性
戦後の東京オリンピック招致へ
会場整備と都市改造
テレビ・オリンピック
戦争の記憶
第10講 佐藤長期政権……佐藤 晋
佐藤政権の政治姿勢
自民党一党優位体制
佐藤政権の原動力
佐藤長期政権の負の遺産
第11講 日韓基本条約……木村 幹
はじめに
脱植民地化の外交交渉
朝鮮半島の脱植民地化の特殊性
講和会議からの排除
領域と国民を巡って
請求権と基本関係
曖昧に終わった交渉
第12講 全共闘運動・三島事件・連合赤軍事件……西山 伸
大学紛争と全共闘
日大紛争
東大紛争
変質する全共闘
三島事件
連合赤軍事件
第13講 沖縄返還……平良好利
画期としての「大津談話」
「両三年内」をめぐって
「核抜き・本土並み」方針の決定
共同声明と一方的声明による日本の態度表明
韓国、台湾、ベトナムに関して
秘密「合意議事録」
残された課題
第14講 公害・環境問題の展開……小堀 聡
イギリスから日本へ
システム公害
臨海工業地帯と公害
三島・沼津の衝撃
国政転換への二つの道
公害防止の技術革新
自然保護運動の潮流
「人権」のせめぎ合いとしての公害
第15講 原子力・核問題……秋山信将
終戦と原子力の禁止
原子力の夜明け
石油危機と原子力政策──石油依存からの脱却、自給率の向上と核燃料サイクル政策
第五福竜丸事件と核のタブー
政治化する原子力
同盟と核
国際的な核不拡散体制と日本
平成──荒波の時代へ
第16講 石油危機……平野 創
国際石油資本による支配と資源ナショナリズム
第一次石油危機の発生
日本経済への影響
第二次石油危機の発生
石油危機に対する政府の対応
エネルギーの確保に向けて
石油危機による各産業への影響
第17講 田中角栄の時代……若月秀和
「田中角栄の時代」──「時代の終わり」の時代
宰相として成功しなかった田中角栄
内政・外交を停滞させた「傍流」政権
七〇年代の唯一の「安定」政権──福田「内閣掃除大臣」
政争に塗れた大平政権
最後の勝者・中曽根──老害化する角福
第18講 ロン・ヤス関係──個人的信頼関係と日米外交……山口 航
日の出山荘
新冷戦
ロン・ヤス関係誕生
個人的信頼関係
実質的な側面
日米摩擦
ロン・ヤスの成果
第19講 歴史認識問題……奈良岡聰智
歴史認識の共有なき戦後処理
日本の戦後処理の限界
歴史認識問題の国際化
戦後五〇年談話と戦後七〇年談話
歴史認識問題の今後
第20講 国鉄等の民営化と新自由主義のはじまり……飯尾 潤
一九八〇年代の日本は新自由主義の時代だったか
自民党の総主流派体制と政官融合体制
第二臨調の行政改革
民営化の政治過程
民営化の意味
臨調行革方式の影響
第21講 バブル時代の政治……村田晃嗣
バブル前夜
昭和の終焉
五五年体制の動揺と冷戦の終焉
バブルの崩壊と「短い二〇世紀」の終わり
編・執筆者紹介

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Book Lover Mr.Garakuta

14
【図書館】【速読】:近代史昭和時代の説明書。昭和の政治経済社会科学の本。沖縄返還など興味深い。2022/02/20

nagoyan

11
優。全21章。各章平均17頁程度。上巻では冷戦構造に厳しく規定されていた印象があるが、下巻各章は独立後のためか、国内政治情勢が中心に語られる。その中で、日本が、ソ、中、韓、東南アジアのそれぞれに対して関係を結びなおしていく作業が大きく取り上げられている。冷戦構造に規定されつつも、それに収まらない個別の事情が解き明かされていく。2020/09/11

gkmond

0
安保闘争と新左翼運動の形成、池田内閣と高度経済成長、日中間貿易と国交正常化、公害・環境問題の展開、あたりがまあまあ面白かったけど、上巻と比べても下巻は「こんなことありましたあ」って流してる感じの強い論考が多かった気がした。褒めるところは褒めて意識が強すぎるっつーか。あとさ、反共勢力の進展みたいな項目あってもよかったと思うんだよね。2025/04/25

あるまじろの小路

0
昭和史講義戦後編の下巻は高度成長からバブル崩壊までを扱っています。この時代になるとさすがに親や自分がリアルタイムで経験していたことなのでだいたいの流れはわかっていますが「そういうことだったのか」と目から鱗のことも多いです。石橋・岸内閣の功績がなかったら今の日本はなかったかもしれませんし、大平・中曽根内閣が方向性を示すことができなかったら、冷戦体制崩壊後の混乱はさらに大きくなっていたでしょう。昭和の終焉とともに、謙虚と勤勉の精神がバブルの中で一気に崩れていった感じは、改めて整理されてみると劇的ではあります。2023/04/19

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