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内容説明
近代日本を代表する知識人や文人、大衆作家、画家、建築家、漫画家ら文化人たちは昭和戦前期をいかに生き抜いたか。石橋湛山、和辻哲郎、鈴木大拙、柳田国男、谷崎潤一郎、保田與重郎、江戸川乱歩、中里介山、長谷川伸、吉屋信子、林芙美子、藤田嗣治、田河水泡、伊東忠太、山田耕筰、西條八十の一六人を採り上げ、最新の知見からその人物像を正確に描き出す。また彼らが戦争とどう関わり、あるいは背を向けたかを見ることで激動の時代を検証する。好評・昭和史講義シリーズの第五弾。
目次
石橋湛山…牧野邦昭
和辻哲郎…苅部直
鈴木大拙…佐々木閑
柳田国男…赤坂憲雄
谷崎潤一郎…千葉俊二
保田與重郎…前田雅之
江戸川乱歩…藤井淑禎
中里介山…伊東祐吏
長谷川伸…牧野悠
吉屋信子…竹田志保
林 芙美子…川本三郎
藤田嗣治…林洋子
田河水泡…萩原由加里
伊東忠太…井上章一
山田耕筰…片山杜秀
西條八十…筒井清忠
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
28
この時代に活躍した文化人は、時代の大きな荒波に翻弄されている。明治大正期にはリベラルな左翼的思想、戦争の足音ともに軍国主義になり、戦後になって平和と民主主義。3つの時代を串刺して、どう生きたかが問われる。小林秀雄のように「僕は無智だから反省なぞしない。利口な奴はたんと反省してみるがいい」と開き直れる人は稀である。16人の文化人が描かれているが、それぞれの筆者もユニーク。その中では、苅部直先生による和辻哲郎、佐々木閑先生による鈴木大拙、赤松憲雄先生による柳田国男、片山杜秀先生による山田耕筰の4編が秀逸!2019/09/12
ほうすう
10
戦前の文化人を通して覗く昭和史。当然ながら戦前文化人篇とのことで政治史的な面よりも文化史的面が強い。戦前の音楽や漫画がどのような立ち位置だったか興味深く読めた。特に面白かったのは江戸川乱歩・山田耕筰・中里介山・田河水泡の項。2019/07/15
fseigojp
9
中山介山、長谷川伸、など大衆の時代を切り開いた人々2023/01/20
なおた
5
「私は、鈴木大拙をどのように学んだか」という佐々木閑氏の講演 https://youtu.be/oo_7J8KdpOs の中で、本書において、佐々木氏が鈴木大拙について書いていると述べていたので手に取りました。「神秘的実在を感じ取る中で形成された大拙の世界観は、釈迦の教えからは遠く離れていったが、その分「この世の背後に、言語説明を超えた何らかの実体があるに違いない」と考える無数の人々の、共通の受け皿となってきた。それが大拙の価値であり、存在意義である」(65頁)」という指摘は白眉でした。2022/08/24
非実在の構想
5
佐々木閑が大拙の霊性を評して、概念規定されていないので思想というより、思想を作成するフォームであって読者が心の中に抱く神秘的実在を代入するという文章読んでむせかえるくらい笑ったしめっちゃ納得した。2019/07/15




