ちくま新書<br> 世界哲学史3 ──中世I 超越と普遍に向けて

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ちくま新書
世界哲学史3 ──中世I 超越と普遍に向けて

  • ISBN:9784480072931

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内容説明

7世紀から12世紀まで、ヨーロッパでいう中世の前半は地中海の古典・古代文化がヨーロッパ各地に広がり、イスラームが成立して急速な広がりを見せた。中国やインドでも高度な形而上学が発展し、日本でも空海のような宇宙規模の形而上学が構想された。民族の大移動が始まり、諸帝国が成立すると文化が特定の地域に閉じこもらず、広がりを見せていった。こうした時代の諸伝統における多様な哲学を、「超越」と「普遍」をテーマとして設定し、相互の関連を重視しつつ論じる。

目次

1 普遍と超越への知 山内志朗
2 東方神学の系譜 袴田玲
3 教父哲学と修道院 山崎裕子
4 存在の問題と中世論理学 永嶋哲也
5 自由学芸と文法学 関沢和泉
6 イスラームにおける正統と異端 菊地達也
7 ギリシア哲学の伝統と継承 周藤多紀
8 仏教・道教・儒教 志野好伸
9 インドの形而上学 片岡啓
10 日本密教の世界観 阿部龍一

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

32
中世とは、翻訳と註解の時代であった(024頁)。マクルーハンは印刷術と近代を忌み嫌った(028頁)。世界哲学とは、多様な諸哲学を取り込み、動態と流動において捉えるものこそ相応しい(030頁)。参考文献で興味をもつのは、西平直『ライフサイクルの哲学』東大出版会、2019年 は、東洋の修行論、西洋のアイデンティティ論が展開されるという(032頁)。教父とは、教理上の正統信仰保持、聖なる生涯、教会の承認、古代教会に属することを満たす者(056頁)。2021/05/22

to boy

31
10世紀前後の世界哲学を俯瞰した第3巻は普段聞きなれない名前や書物が出てきて読みにくかった。キリスト教、イスラム教、仏教などが各地に広まる中、西欧、イスラム、中国、インド、日本での思想、哲学がどのように展開されていったのか、かなり専門的に書かれていて読むのに時間がかかった。最後の章で空海に対して一宗派の開祖としてだけの評価では物足りないと書かれていてなるほどなと思った。2020/10/16

しんすけ

23
中世とは日本でいえば、飛鳥から鎌倉までの千年弱の時代に相当する。日本では文明生成期ののような時代だが、西欧では文明衰退の時代と評価されることもある。 中国も後漢以後は混乱が続き、一時はモンゴルに支配されることもあった。だから中世なる単語の印象はかなり悪い。西ローマ帝国の崩壊から、ダンテやボッカチオが登場するルネサンスまでの間を不毛の時代とする考え方もある。 だが本書を読むと、今までの考え方に疑問が産まれてしまった。もし中世が不毛の時代なら、それ以前の思想はそこで途絶えてしまったのではないだろうか。2023/09/08

記憶喪失した男

17
面白かった。こういう哲学史を待ってたってのが本当に書いてある。東ローマ帝国の東方神学や、イスラム哲学のイスマイール派についての記述なんかとても好きだ。「フィロカリア」というのが、東ローマ帝国の神学の代表作の題名だと知った。中国の記述も興味深い。聞いたことのない中国人や中国の書名がたくさん出てくる。中世インドの哲学者が出てくるのもよかった。中国やインドで、深い哲学をもつ内容を知りたくなった。三巻までで十二世紀までのようだ。2020/06/15

Bartleby

16
中世に突入。監修は山内志郎氏。教父哲学やイスラーム哲学、リベラルアーツと、アリストテレスの関わりを知りたかったので本巻はとても興味深く読んだ。アリストテレスはキリスト教にとって諸刃の剣だったのだな。「インドの形而上学」がユニークすぎた。インドの論理学も。まだよく理解できていない。非牛を突き詰めることで牛を規定する、とか、否定神学のような、はたまた帰納法のような、あるいはバートランド・ラッセルの“黒い白鳥”みたいなことを考えていて面白い。西洋と違って、イデアを回避しているため風通しがよい。2023/07/25

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