内容説明
連れ子のおすずと両国広小路を訪れた三左衛門は、一撃で柿を十字斬りにする浪人、轟十内と出会う。客寄せには勿体ないほど見事な居合抜きの腕を持つ十内に、どこか似たものを感じる三左衛門。そしてひょんなことから同じ長屋に住む子持ちの洗濯女、おせいの想い人が十内であることに気づく。仲人稼業のおまつが仲をとりもち、晴れて結ばれた二人だったが、契りを結んだ夜から三日もたたぬうちに異変が起こる。十内がふっつりと姿を消したのだ――。傑作シリーズ、待望の第二弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
88
照れ降れ長屋風聞帖2作目「新装版」2019.11発行。字の大きさは…中。 七両二分、残情十日の菊、思案橋の女、雪兎、役者買いの5話。 富田流小太刀の遣いて浅間三左衛門は、仲人稼業「十分一屋」を営むおまつに食わして貰っているが、困った者を見ると放っておけず、お節介を焼く人情小太刀物語。 字も大きく、短編5話と読みやすいです。物語のスピードも良く、最後は三左衛門の小太刀が悪者を捕らえます。「十日の菊」とは、9月9日の菊の節句の翌日に咲いた菊。時機に遅れて役に立たないことのたとえです。→2020/07/23
KAZOO
87
照れ降れ長屋シリーズ2作目です。底辺近くにいる人物たちが主人公ですが、割と明るい時代小説です。仲人家業の連れ合いに食べさせてもらっていて、連れ子あるいは義理の弟などもいてかなりにぎやかな感じです。川柳と釣りが趣味でその仲間もいます。5つの短篇が収められていてちょうどいい感じになっています。江戸の季節感もかなり出ていて楽しめました。2025/07/19
蕭白
5
悪くなかったです。2024/01/30
あき
3
今回も三左衛門の小太刀が冴える。大団円でスッキリした読後感。副題になってる「残情十日の菊」での粋な計らいが良かった。2022/11/07
John
1
悪党を小太刀一本で懲らしめる三左衛門の活躍が爽快。中でも表題作の残情十日の菊は情も深く良かった。引き続き楽しみ2025/05/14