内容説明
小石川傳通院の裏で、五人の沼津藩藩士が斬殺された。背後に、妖刀村正に似た無銘刀を遣う凄腕の剣客の存在が浮かび上がる。汐崎藩御刀番頭の左京之介は、度重なる襲撃に怯える沼津藩藩主・水野忠成の懐刀で、これまで対立していた土方縫殿助から助けを求められる。土方の求めに京之介が下した判断とは――。霞左文字が、権力者たちの謀略を斬る! 感動のシリーズ最終巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
153
御刀番・左京之介シリーズ完結です。「所詮、権力者は腐り、足の引っ張り合いをする・・」「迷惑なのは民百姓だな・・」あゝそういうことですね。いつの世も変わらない。(選挙ばかりやってるどこか沢山の人に聞かせたい!)仇敵・土方は何処へ・・汐崎藩を支える者の世代交代の中「生涯御刀番だ」と言う京之介が清々しい。茎に銘は無い妖刀はずっと聖林寺で眠ってもらいましょう。刀が持つ人を試すのが楽しいシリーズだった。2019/03/24
とし
79
左京之介御刀番「無銘刀」11巻完結。良い最終巻でした、権力者の醜い争いを左京之助が霞左文字で斬り裂きました、それに立身出世を望まず生涯御刀番を貫く事に、微笑むおゆいさんも良いですね。土方縫殿助のその後が気になりますが。 2019/05/16
真理そら
21
京之介とおゆいの幸せそうな未来を予感させながら終わってしまった。なんとなく勉強になるシリーズだった気がする。2019/03/13
のんぶぅ
2
若き藩主を自身の命を懸けても、必ずや守り抜く、年若き者への労りとか心配り気配りこれらのシーンに、著者の人柄が少しばかり垣間見えたかのようです、依然読んだものの中にも必ず出てきますね、しかも、さりげなく。人と接する時には、これらを思い出し、自己の戒めとしたい、老生、この世に生れ落ちて以来、我儘で落ち着きがなく、おっちょこちょいと、言われてまして直りません。 完結して、何か妙に寂しくなりました。 2019/03/15
ekoeko
1
シリーズ最終巻。汐崎藩御刀番頭の左京之介は無銘刀を遣う凄腕の剣客の度重なる襲撃に怯える沼津藩藩主水野忠成の懐刀で宿敵の土方縫殿助から助けを求められる。京之介が御刀蔵で満ち溢れている刀の霊気に浸っている姿が怪しい。2019/05/28