内容説明
長年続くデフレ不況により若者が就職できない。「歴史認識」なる言葉に恫喝されて自国領土まで掠め取られそうな外交。頻発する凶悪犯罪……。日本を取り巻く深刻な状況は、日本人の英語やITが拙いから起きたのか? 否。「グローバル化」の真相とは、単なる米英の英語帝国主義に他ならない。我が国の広範な体質劣化をこれ以上放ってはおけぬ。物事の本質を見抜き、鋭く突きつける一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
27
○藤原さんのエッセイは読みやすくまた同感できる話が多く、楽しんで読んでいます。本質は何なのかを考えて行動することが必要なのだろうなと思いました。ポーランドの恩返しの話が特に印象に残りました。2023/01/15
双海(ふたみ)
23
藤原家は俳句を能(よ)くする人が多いそうで。著者が米国に留学中、3月に届いた航空便の最期に「紅梅の色にじませて春の雪」という句があったという話や、先の戦争で満州から引揚げをするときに引揚げ団の連絡掲示板に「秋雨や家なき人の集まりて」と記されていて人々の涙をさそったという話が紹介されていました。ともに父(作家:新田次郎)の作。藤原さんのエッセイ、ところどころユーモアがあって好き。2016/07/03
まりにゃ
10
大好きな『管見妄語』第4弾の、待ちに待った文庫化。相変わらず面白く、情趣深く、正鵠を射る内容。グローバル化という名の英米至上主義に呑み込まれず、日本がどのように自らの文化や精神を維持していくか。国語教育こそ幼少時の柱として、命の尊さや人間の尊厳、コミュニケーション方法や教養の耕し方などを、身に着けさせることが肝要。それが全ての人間性と知的能力の基礎となる。英語は全国民に必ずしも有用ではなく、語学センスのある人たちが優れた通訳になってくれれば良いのであり、その他大勢は英語以外の分野に注力すべきと、私も思う。2016/08/10
ハル牧
2
自信は寛容を生む。本代はケチるな。グローバル化とは、英語帝国主義を通しての米英による人類支配への協賛に他ならない。本書では、読者それぞれに響く言葉が数多く出てくるだろう。5年前に出した「シニア割引拒否宣言」を、筆者はまだ堅持しているのだろうか。していそうな気はする。きっと筆者の肉体年齢はまだ、ジパング倶楽部入会資格を得ていないだろうから。2019/10/23
nnnともろー
2
歯に衣着せぬ物言いは痛快。だがアベノミクスへの評価だけはいただけない。2016/07/05