内容説明
陰湿ないじめで一人の中学生が自ら命を絶った。見て見ぬふりをした教師、生徒たち。責任逃れに終始する教育委員会や学校――。まさに卑怯者のオンパレードである。社会も然り。政治家も、正義を振りかざし揚げ足を取るマスコミも、恥を知れ! 卑劣を悪(にく)む日本人の美徳は、一体どこに行ってしまったのだろうか。現代の病んだ精神を慧眼と独自のユーモアで明るみにする、痛快コラム集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
18
倉橋由美子さんを『パルタイ』以来注目していて、大学2年で『蛇』を読んだときにファンレターを送ったとか。藤原さんのユーモアのある文章ってほんとうにいい。救い。2015/05/30
Tosh!@既読本も登録中
7
この本はいま読むまないといけないと感じる。著者の例のごとくの自己賞賛は相変わらず、本人以外は誰一人信じないだろうが、人柄は依然として魅力満点だから、あながち、間違っていないか。「日本が考えるより世界は醜い」「政治の不毛が続くわけ」「切り捨てられる未来」「楽観的であれ」「民主主義とはいやなもの」の5章建て。今の世の中、日本はもちろん世界に対する警鐘の本、痛快に斬るのだが、その切っ先が政治家や社会を動かせる人達に届いて欲しい。2015/07/06
まりにゃ
6
再読してみた。初読にて皮肉の多さを嘆いたが、読み返したら、なんと『はじめに』で、著者がその点を既に言明していて、納得した。心穏やかに、最後まで読み通したら、やっぱり私の大好きな著者で、胸をなでおろした。「民主主義、すなわち世論に依る政治とは、世論を操る政治でもある」胸が透くような指摘だ。操られないような賢明さを私たちが持てるように、人類の知恵は、常に試されているのだと思う。2015/09/06
まりにゃ
4
『管見妄語』シリーズは大好きで、前の2巻以来、首を長くして文庫化を待っていたため、期待過剰に陥っていた模様。あるいは、週刊誌上での連載コラムである弊害か、皮肉が多過ぎて・・・・ゲンナリした。こんなの、私が好きな著者じゃない。もっと清冽で真っ直ぐな中に、深い情趣とユーモアが漂う文章が好き。でも、普通のマスメディアとは一線を画した、鋭い視点と舌鋒を見せてくれる点は、さすが。2015/06/23
根本隼
2
新潮で週一で読むのは良いが、こうやってまとまって読むと少し飽きるかも笑。経済に関しては4年経った今まさに指摘通りに世界が動いてて、その慧眼に驚いた。2016/12/18