内容説明
≪TVアニメ「文豪ストレイドッグス」放送記念! アニメ描き下ろしコラボカバー版を配信!≫
「堕ちること以外の中に、人間を救う便利な近道はない」。第二次大戦直後の混迷した社会に、かつての倫理を否定し、新たな考え方を示した『堕落論』。安吾を時代の寵児に押し上げ、時を超えて語り継がれる名作。
<シリーズ累計250万部突破!「文豪ストレイドッグス」シリーズとは!?>
中島 敦、太宰 治、芥川龍之介、与謝野晶子、泉鏡花、F・スコット・フィッツジェラルドなど国内外の文豪のイメージをモデルに擬人化されたキャラクターが、「人間失格」「羅生門」などといった各文豪に関連する異能力を用いて戦うバトルアクションコミックス。
舞台は横浜。孤児院を追われた主人公・中島 敦は、とある自殺志願の男・太宰 治を助けたことから、異能力集団「武装探偵社」に所属することに。やがて、ポートマフィアの芥川龍之介らや、北米の異能力集団・組合(ギルド)との対決が激化していく――!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kircheis
316
★★☆☆☆ 『堕落論』の他、エッセイ12編を収録。 ざっくり言うと、全体的に綺麗事で取り繕わず、欲望に忠実に生きるべきだという内容のエッセイ集だ。 古い価値観が強く残る戦後間もない時代にはマッチしたのかもしれないが、坂口の言う意味の「堕落」が完了した現代では、本書の内容は当たり前すぎて陳腐に感じる部分が多い。 利便性を重視し、我慢することを嫌う現代の人間からすれば、むしろもう少し欲望を抑えなさいと言いたくなる時がある。 とりあえず、坂口安吾が志賀直哉のことを凄く嫌っていたことは伝わった(笑)2022/02/25
優希
140
角川文庫で再読です。通俗的倫理を否定する論調を述べたからこそ安吾は時代の寵児となりえたのだと思わずにはいられません。常に世間に否定の眼差しを向けたアンチ社会派であるが故の名エッセイが詰まっていますね。若い人に支持された理由もうなずけます。2017/01/17
青蓮
106
新潮文庫版で遥か昔に読了してましたが文ストカバーなので購入。13編のエッセイを収録。全体を通して感じた事は人間の本質を鋭く観察する彼の目の確かさ。虚飾を嫌い、ありのままの現実を認めて文学を創り上げるリアリストな安吾を敗戦当時、若者が熱烈に支持した理由が解る気がします。皆そう思っていても口では言えない事を安吾はズバリと指摘する。その痛快さ爽快さ。人間の限界を知りながらも人間を愛し続けた安吾。容赦なく向けられる彼の瞳に現代がどう映るのか興味がある。俺が生きていた時代と何も変わってない、と言いそうな気もするが。2018/06/13
扉のこちら側
99
2016年449冊め。綺麗ごとではなく、泥にまみれてあがいたその先に見えてくるものがあるのだという。戦後の日本で反響が大きかったのもうなづける。安吾というと「桜の森の満開の下」しか知らないのだが、いつか全著作を読んでみたくなった。表題作の「堕落論」はもちろんだが、「青春論」もおもしろい。2016/06/21
優希
92
通俗的理念を否定するからこそ、安吾は時代の寵児となりえたのだと思います。常に世間に否定の目を向けたアンチ社会者であったが故のエッセイが詰まっていました。若い人に支持された人物だと思わずにはいられません。2019/08/16