内容説明
満月の夜のおれ、犬神明を殺すことのできる者は、どのような手段によろうと、この世には存在しない。おれは犬神一族の生き残り、正真正銘の人狼なのだ。おれはルポライター。トラブルがおれのビジネス。トラブルはいつも向こうから飛びこんでくる。通りすがりの銀行にひょいと入っていくと、銀行強盗がオモチャのコルトを行員につきつけていたり、行く先々でジェット旅客機が墜落したり、追突した車のトランクからは全裸の美女の死体が転がり出す……。月齢が増すにつれ、おれの体臭は強くなり、力はみなぎる。おれは誇り高く心優しい狼男だ――。平井和正“アダルト・ウルフガイ”シリーズ第1作のノン・ノベル版が、生頼範義の表紙画&挿絵で復刻!
目次
夜と月と狼/狼は死なず/狼狩り
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kadocks
3
数十年ぶりにKindleで挿絵付き! 今読むと大人のラノベ。異様なまでのリーダビリティでグイグイ読ませる。ただただ楽しい。ほんの少しだけ思い出したりして記憶の中を掻き混ぜて拾ってくるくらいのものなんだけど、それがまた楽しい。 それにしても物語にとって滅茶苦茶都合が良いキャラなんだけど読んじゃうのは平井和正だからかな。終わらせ方もまさに平井和正。2022/04/11
beachtimelong98
3
中編「夜と月と狼」「狼は死なず」「狼狩り」収録。 もう何年ぶりに読みかえすのか分からないが、普通に面白かった。明確に時代性がかいまみえるのだが、それさえ大丈夫ならばラノベとかで売れるんじゃないの?とか思いました。2018/08/23
fujii
3
Reader Storeでセールをやっていたのでついつい買ってしまった。 なつかしいなあ。 次の巻も読みたくなって来た。2018/03/19
ざび
3
kindleで平井和正氏の著作が一気に発行された。懐かしさに一気買い。40年を経ても色あせない文章のリズムが良い。鳥頭の私にしては珍しく、かなりのフレーズが記憶に残っていた。当時よほど読み込んだのだろう。宗教にはまる前までの作品は読み尽くそう。2018/02/19
Chiyoka
3
文体が独特でいちいち言い回しが面白くて(誉めているw)テンポよく読めた。 主人公が魅力的。戦闘シーンも臨場感ありでよかった2017/05/26