内容説明
おれの名は犬神明。知る人ぞ知る不死身の狼男だ。満月期にさしかかったおれの部屋にある日、素晴しい美人が仕事の依頼にやってきた。某実業家の秘密パーティに出たため、コールガールになれと脅迫されているという。これがとんでもない事件の発端であった。世界最大の武器密輸商人ユニバーサルアームコの注文で、名古屋の東和工業が秘かに超小型核兵器を開発しているという。果たして、事件の真相は……?日本のハードボイルドに、新しい分野を切り拓いた鬼才、平井和正が贈る長編スーパー・アクションの力作“アダルト・ウルフガイ”シリーズ第4作のノン・ノベル版が、生頼範義の表紙画&挿絵で復刻!
目次
黒い画像/超小型核弾/JCIA/ひびわれた月/人狼戦争/閃光の彼方/コーサ・ノストラ/砕けた月/原爆ジャック
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
爺
4
宗教がかってくるこの辺りから先は、もう20数年ぶりの再読。ハルキ文庫版で読もうかと思ったのだが、生頼範義画で読みたくなり祥伝社版にて。相変わらず平井和正の心情描写力と表現力には脱帽させられる。ここまで濃密で執拗な描写なのに、まったく辟易とさせずにテンポよく読ませてしまう。初めて平井和正を読んだのは中学校二年生だったが、それ以来惰性ではなく意欲的に小説を読むようになったわけだが、平井作品を読むと自分の読書原点に戻れる気がする。2018/05/18
ざび
4
この巻から宗教がかってきた。「誰かのための一瞬のために人は生きている」なんてティーンエイジャーがどれだけ洗脳されたことか。誰かの一瞬をうまくできれば死んでも良いなんてありえない思想だ。ここから「神は我と共にあり」のフレーズに突き進んでいくんだ。2018/03/30
洪七公
3
既読本1982/08/07
kadocks
3
かなりギリギリ。そろそろヤバくなってきた笑 そっちに行かなきゃかなり面白い話になってただろうに、既に郷子が競争になっちゃったし、不死身性が意味なくなってしまうし、本当にもったいない。 kindleまとめ買いしたからもう一冊は読むつもりだけど流石に辛いな。2022/04/18
beachtimelong98
3
これか「魔境の狼男」か、どっちが最高傑作かな? 雑誌連載作のせいか、全編に渡り、まんべんなくアクションシーンが配されていて息もつけない。後半はシリーズ最大のピンチでこれどうするの?と思ったが、これがいわゆる宗教にはまり出した頃なのかな、という結末でした。でも少なくとも面白かった、ここまでは。2018/10/23