内容説明
満月期のおれは、天下無敵、地上最強の狼男、名前は犬神明だ。おれは、行方不明になったただ一人の親友・郷子を追って、はるばるリオ・デ・ジャネイロへやって来た。当地でエリカという移民二世を助手に得たが、友だちになって二日後、彼女が何者かに殺され、おれは追われる身の被疑者となった。郷子を捜す一方、エリカ殺害の真犯人に復讐するため、不死身の超常能力を駆使するが、妖術に彩られた得体の知れぬ敵を追ううち、想像を絶する真相に突き当たる。おれの守護神、燦然と輝く満月を背に、地球の裏側で大活劇を演じるおれは――。平井和正“アダルト・ウルフガイ”シリーズ第3作のノン・ノベル版が、生頼範義の表紙画&挿絵で復刻!
目次
リオの狼男/ライオン・ヘッド/竜の玉座/スルククの檻/復讐行/竜の基地
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kadocks
3
二巻をノベルスで出すときに一巻本にして長編にしてたっけ。文庫版読んでたけど当時も再読した気がする。 単なるスーパーマン小説なんだけど、平井和正のペンの走りが凄まじく傑作。 ブラジルが舞台で今時ブラジリアに関わる汚職なんて誰も知らないだろう。時代は感じるけど面白さは変わらない。2022/04/15
beachtimelong98
3
早川文庫では「リオの狼男」と「人狼地獄篇」に別れていたものをノンノベル収録時に一冊にし、長編としたもの。確かに途中で一旦物語が緩やかに幕を降ろしているのが面白い。 書き下ろしだったのか、雑誌収録作だったのか分からないが、中盤長々と拷問シーンが 続き暗くなるが、いややっぱり面白い。 これ当時は破格のアクションSFだったんだろうな。2018/10/07
ざび
3
おそらくシリーズ最高作。本を置くことができない面白さ。犬神明の怒りと爆発後の虚無感が素晴らしい。2018/03/21
エラリー
3
前半、これまでの作品よりスリリングに感じたのは、やはり不死身の狼男相手には、普通の人間では役者不足だったからだろう。その点、今回の敵は超自然的な力で狼男を苦しめた。また、拷問シーンはこれまで以上に多く、人間の残虐性を強調している。2016/07/26
洪七公
2
読了1982/10/25