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内容説明
醜き少女・累(かさね)に、母が遺した一本の口紅。その口紅は、他者の顔を奪うという能力を秘めていた。累はその能力を使い、美しき者が持つすべてを奪う事を決意する。そんな累の前に現れた、美しき女・丹沢(たんざわ)ニナ。累はニナを精神的に追いつめ、その顔を奪う事に成功する。その美貌を使い演劇界で成功する累であったが、腹違いの妹・野菊(のぎく)が現れて、その運命は大きく変わっていく。果たして野菊は累に何をもたらすのだろうか……?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
wata
57
ニナは長くてツラい植物状態からやっと解放されて…。累は顔が元に戻って演劇も出来ず。野菊はこれからどう動く(T_T)?2015/09/17
くりり
53
ニナの死、野菊の執念と暴走は、累を地獄に突き落とそうとする。みんな壊れて...2015/09/16
どんぶり
50
いつかは起こるだろうけど目を背けたかったことが、この巻にて起こってしまいました。累のこれからが心配。野菊に頼ったって、上手くいかないことが既にもう目に見えてしまってますからね。累が幸せに、安心して暮らせることなんてないのでしょうか。常に綱渡りのようなハラハラした人生を歩んでいて、読んでいてこちらも気が休まりません。最終地点はバッドエンドしか浮かばないけど、これからどうなっていくのだろう。2015/10/02
nyaoko
42
野菊と累、2人の執念と言うか、執着たるや、やはり血を感じる。あのオヤジの子供なんだなあ。あんな事になって、ニナがずっと生きていけるのか思ってたら、あんな事になるとはとても苦しくて切ない。ニナの顔を失った累は野菊を手に入れるのだろうか。2015/11/17
絹恵
32
美しさをかさねることへの代償は、心の崩壊なのかもしれません。感情を理解するたびに、ガラスを飲むより苦痛を伴うけれど、その苦痛に歪む顔さえも美しさがあれば人を引き寄せる魅力に変わることに気付いてしまったから、幕を引くことが出来なくなったのだと思います。赦されることを願えば、たちまち固めた執念は腐敗してしまいます。2015/08/07