内容説明
将軍家斉が法要中に襲われた衝撃も冷めやらぬ大奥に、お末二人が入った。奥右筆組頭立花併右衛門は、婿となる衛悟と娘瑞紀にその素性を探らせる。家斉の御台所茂姫は外様島津家の出であった。藩主重豪は、将軍の外祖父となり外様から親藩入りするという野望を隠さない。斬られてもひるまない死をおそれぬ薩摩の捨てかまりが伊賀者、お庭番らの暗闘に参戦、シリーズ最高潮の盛り上がりを見せる第十一巻!(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
88
奥右筆秘帳「天下」11巻。朝廷の次は薩摩の野望が・・・島津藩主重豪、娘茂姫の子敦之助を将軍にし権力をえようと、捨てかまりを大奥に送り将軍家斉暗殺を企てるも、立花併右衛門に看破され、衛吾と瑞紀の活躍で失敗に終わる。次巻最終巻一橋治済が天下をかけて挑む、冥府防人、絹との対決が楽しみです。 2021/09/20
TakaUP48
57
将軍家斉が襲撃されたばかりの大奥に薩摩藩から仕向けられたのは、己の命を賭けて敵を殺す死兵・島津家独特の捨てかまり。御台所付の年寄り初島のお末が二人変わった。この二人に疑問を持った併右衛門は、お末の一人の身元大島屋を探れと衛悟に伝える。瑞紀と衛悟は連れだって探りを入れた帰り、伊賀者に襲われる。深園は、島津重豪に爆薬を渡し、女捨てかまりに大奥で家斉を殺害せよと。別式女に扮したお庭番・香枝の活躍で、女捨てかまりから家斉を護る。正室茂姫の実家島津を放置できなくなったと家斉苦渋の弁。幼き実子敦之介を清水家に…。2022/04/21
オーウェン
51
いよいよ残り2冊となったシリーズ。 島津が再び将軍暗殺のため大奥に女人を2人送り込む。 その変化に気付いた併右衛門は衛悟と瑞紀に調査をさせる。 そして伊賀忍の残りが併右衛門に迫っていく。 そこまでやるかという女人の執念が恐ろしい暗殺計画。 家斉の敵は父の治済と冥府防人になる。 冥府防人とは遂に衛悟との一騎打ちになる最終巻楽しみだ。2023/10/27
海猫
39
この巻はラストスパート直前のタメ、といったところか。あと2冊で終わりだそうなので終盤いかに盛り上げて着地するか大いに期待したい。2013/01/06
金吾
33
次から次へとあらたな陰謀が繰り広げられますが、陰謀の内容が、徐々に雑になってきているように感じます。血で導火線を濡らして爆弾を発火させないのは凄いと思いました。2020/06/13