永遠の詩03 山之口貘

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永遠の詩03 山之口貘

  • ISBN:9784096772133

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内容説明

貧乏だが、誇り高く生きた希有の詩人。

●今日的に意義のある詩人を採り上げ、その代表作を厳選。
●現代仮名遣いによる本文、振り仮名付きで読みやすく。
●各詩には詩人(高橋順子・矢崎節夫・井川博年)による解説をつけ、作者の生い立ち、作詩の背景、詩のもつ魅力がよくわかる。
●各詩人の人生と詩集が一目でわかるビジュアル年譜(写真とイラスト入り)。

貧乏を愛した詩人、山之口貘の傑作詩を収録。

山之口貘は、沖縄生まれの天性の自由人。上京後は、今のワーキングプアさながらに、職を転々としながら住所不定の日を送り、貧乏を明るく、したたかに、詩にうたった。詩のことばは平易だけれども、誰にも書けないふしぎな魅力があり、人間存在の痛点を刺激する。

永遠の詩シリーズは、今日的に意義のある詩人をとりあげ、代表作を厳選しました。わかりやすい解説で、詩があなたにもっと近くなります。

目次

襤褸は寝ている
鼻のある結論
転居
来意
会話
再会
座蒲団
数学
ものもらいの話
生活の柄〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

119
山之口獏の詩は明るく、からっとしている。生まれ故郷の沖縄の太陽みたいだ。明るさの他にユーモアもあり、読んでいるとクスリと笑ってしまうものも多い。ただしこの明るさとユーモアは能天気な生き方から生まれたのではなく、血を吐くような苦しい生活の中から生み出されたことを忘れてはいけない。この詩人の一生は貧しさとの戦いであり、「夜空と陸との隙間にもぐり込んで寝た」(「生活の柄」より)とあるように、浮浪者のように生活することもあった。戦時下に「僕には是非とも詩が要るのだ」と堂々と宣言するこの詩人の反骨精神が好きだ。2015/09/26

kanata

17
『永遠の詩』シリーズ3巻は、山之口貘。沖縄生まれで結婚は遅く、アメリカ占領時代ゆえ成人して後33年間も故郷に戻ることがなかった。在京での労苦は並大抵ではなかったが、それでも主張は自由に。結婚への思いを綴った詩は朗らかだ。ビキニ環礁で起きた水爆実験の第五福竜丸事件について抗議した「鮪に鰯」が心にモヤモヤを残す。【鮪は原爆を憎み/水爆にはまた脅かされて/腹立ちまぎれに現代を生きているのだ】から食卓に上った鰯の焦げを『ビキニの灰をかぶっている』と妻に言いたくなった貘さんの心の葛藤が痛い。 2018/02/04

kochi

17
今月はポエカフェが無いので自習f^_^; 沖縄出身の山之口貘は、沖縄有数の名家の出ながら、実家の没落により、様々な職業を転々とし、上京して16年間は畳の上で寝たことがないという生活を送る。苦しい生活の中で詩作に励み、生涯わずか200篇の詩を残す。戦後のふるさとを思った詩。「琉球よ、沖縄よ、こんどはどこへ行くというのだ。… 泡盛を忘れずに、日本語の、日本に帰ってくることなのだ」(沖縄よどこへ行く)長女・泉の書いた評伝が読みたくなった。2015/06/30

こめんぶくぶく

8
ああ、獏さんの人生に詩というものが存在してよかった。私たちは時を超え詩を通じで獏さんの人生にふれることができる。多くのものを抱え身動きできずに虚栄を張って生きる私たちにとって、様々なしがらみから離れ大らかに泰然自若と詩の世界にたゆたう獏さんはまっすぐでまぶしくてそして愛おしい。常に物質的には恵まれずともなんとも心ゆたかに愛にあふれている。2016/02/03

袖崎いたる

7
生活の現場から詩を立ち上げる2019/07/12

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