源氏物語 巻十

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源氏物語 巻十

  • 著者名:瀬戸内寂聴【訳】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 講談社(2014/12発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062758697

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内容説明

宇治の山荘を訪ねた匂宮は、薫を装い浮舟と契る。2人の男の間で揺れ迷う浮舟は、苦悩の末に死を決意。入水を図るも果せず、助けた横川の僧都により受戒、出家する。生存を知った薫は便りを寄せるが、浮舟は拒絶し会おうとしない。大長編小説「源氏物語」54帖、圧巻の完結篇。第10巻は、浮舟、蜻蛉、手習、夢浮橋を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

78
最終巻になります。浮舟から夢浮橋までがおさめられています。浮舟、匂宮、薫との恋愛が描かれますが、浮舟は悩んだ結果出家したのですね。源氏物語は男の自由恋愛のように見える物語ですが、本質は女の君から見た恋の物語だったように思います。平安時代の物語が現代の恋の物語と重なるような気がしました。エロティシズムながらも美しい物語を堪能しました。2019/03/29

レアル

43
私が今まで読んだ本の中で一番の本がこの紫式部の『源氏物語』。それを今回は瀬戸内寂聴さんの訳で読んだが、やはりその想いを裏切らなかった。10巻を通してまず読了したという達成感。そして何といっても物語が良い。また数年後落ちつた頃に読み返したい。2012/11/01

しんすけ

22
「浮舟」から「夢の浮橋」までの四帖を所収。 寂聴は式部の気持を推し量り「男はせいぜいこの程度よ」と記す。 浮舟の身体と心を玩んだ匂宮だけでなく、自分の立場しか考えない薫への面罵のように窺える。 恋多く玩ばれたこともある寂聴にして語りえたのかもしれない。 最後は薫が浮舟を探している途中で終わる。ときおりぼくは思う。式部の結末を。 探しあてた薫を観て、浮舟は簪で喉を突いて死んでしまう。こんどは本当に。「あの苦しみは二度と味わいたくない」 こう書くのが辛くって、式部は途中で筆を折ったと、ぼくは思えてならない。2022/08/26

もといま。

15
ついに完結。匂宮の情熱的なアプローチに負けてしまう浮舟。仕方なく嫌々、ではなく、自分からも情事に溺れてしまうところが哀れ。半分は自業自得なところもあり、薫と匂宮の間で思い惑う。ついに悲しい決断をする。世捨て人、廃人も同然になってからも、新たな男性からの求愛に悩まされる。男たちの身勝手さにはあきれてしまう。男性が読むとまた感想は違うのかなとも思うけれど。最後の薫の憶測、邪推というか勘違いは本当に情けない。予想外の悲しい結末だった。2014/06/21

無花果

15
浮舟は薫より匂宮のほうが好みだったんだね。平安時代では使わない単語だと思うけど、彼は《やんちゃ》な感じだもんなぁ。だけど薫が浮舟と匂宮に怒るのもわかる。っていうかこの出来事では完全に薫派。それで浮舟は死を覚悟。だけどそれでは終わらないよね。最後に浮舟の強い覚悟が描かれてた。源氏物語を通して思ったことは光源氏、薫と匂宮と魅力的な男性が恋愛事情を繰り広げていくけど、さまざまな女性がいてこそ、彼らが輝くんだよね。作者・紫式部はこの時代ですでにいろいろな女性のあり方を描いてる気がする。2013/09/22

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