内容説明
全力傾注のライフワーク。原作に忠実に、美しい現代日本語でつづる源氏物語現代語訳の決定版。帝に熱愛された桐壺の更衣の悲劇的な死と残された幼い皇子。皇子は源氏姓を賜り、やがて意に染まぬ結婚。少年期を過ぎて、近衛の中将の身分を得た光源氏のさまざまな女性達との愛の遍歴。第1巻は、桐壺・帚木・空蝉・夕顔・若紫を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
253
与謝野晶子訳は読んだことがあるんですけど、寂聴さん訳は分かりやすい。和歌の現代語訳もあって、そのお洒落さや絶妙さもよく分かります。この巻では、光源氏が自らも認めるプレイボーイぶりやら、雨夜の品定めやら、若さゆえのスケベ心溢れる姿を楽しめます。良いことばかり書いていると、物語がいかにも作り事だって言われるから、仕方なくぶっちゃけちゃいましたみたいに、紫式部も書いてます。そして、すでに明石の君の噂話が出て伏線が張られるなど、エンタメ性がスゴいです。2022/07/31
アキ
95
車の中で朗読のCDを流して聞き、それから読むととても良くわかる。巻一では「桐壺」から「若紫」まで。雨夜の品定めから、空蝉、夕顔、若紫と次々に女性が登場し、光源氏との男女の仲が著される。源氏の君にとって追いかけたくなる女とは、なかなかなびかなかったものであり、藤壺の宮への恋慕も幼くして死んだ母・桐壺の更衣への喪失感から来ているとしたら、光源氏の宿痾は、桐壺帝の更衣への執着に序を発すると言えるのだろうか。瀬戸内寂聴の訳はとても読みやすく、格調も高い。「空蝉の羽におく露の木がくれて しのびしのびに濡るる袖かな」2025/03/06
優希
85
丁寧な言葉でつづられているので、優雅な雰囲気を感じました。「若紫」までの物語までということもあり、まだ物語は序章だと思います。所々に出てくる和歌が美しい。光源氏がすぐ恋を演じてしまうのが気になります。それでも、落ち着いた雰囲気が流れていて続きが読みたくなりますね。2019/03/27
とも
84
今年の1冊目。 言葉を調べながらで時間がかかった。 さすがに読み継がれているだけあって、すごいと思う。 ゆっくり10巻まで読んでいこう。2022/01/01
さと
54
高校時代 冒頭部分を暗誦するように言われ、ただ機械的に覚えたのだが何十年の時を経てもなお、欠けることなく記憶の隅にある。寂聴さんの訳はとても読みやすく、自分が連ドラを見ているかのような感覚を覚える。漫画やドラマに頼ろうと思わなかったのは、自分の心の中で自ら“役者”を育てていきたかったからだろうと思う。今 光源氏は、高いプライドに身を包むものの、それでいて繊細で母性を求めずにはいられない、ナニモノにもなり切れないような脆さも露呈するように見える。彼によって“発掘”されていく女性も楽しみ。2022/11/30
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