源氏物語 巻七

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源氏物語 巻七

  • 著者名:瀬戸内寂聴【訳】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 講談社(2014/12発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062757881

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内容説明

不義の子を産んだ女三の宮が出家し、柏木は病死。夕霧は柏木の未亡人・女二の宮への恋に迷う。最愛の紫の上に先立たれた光源氏は悲嘆の末、ついに出家を決意する。光源氏亡き後、出生の秘密に悩む女三の宮の子・薫と明石の中宮の子・匂宮を中心に、新たな物語が始まる。第7巻は、柏木・横笛・鈴虫・夕霧・御法・幻・雲隠・匂宮・紅梅を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

68
柏木から紅梅がおさめられています。光源氏、紫の上、新たな物語へと移りゆく流れが忙しく感じました。宇治十帖に入る前の序章のような物語が描かれていると言えるでしょう。2019/03/29

Gotoran

53
本書では、「柏木」「横笛」「鈴虫」「夕霧」「御法」「幻」「雲隠」「匂宮」「紅梅」の九帖を収録。紫の上の死と限りない源氏の悲しみが語られる「御法」、その後もはや抜け殻状態となった光源氏の晩年を描いた「幻」、源氏が出家後数年して死亡したと推し量られる(本文なし表題のみの)「雲隠」、更に源氏の死から数年後、二人の貴公子、女三尼宮の子薫と明石の中宮の子匂宮を描いた「匂宮」が特に印象的だった。「幻」から、源氏が悲しみの心情を詠んだ歌“もの思ふと過ぐる月日も知らぬままに年もわが世も今日や尽きぬ”。残すはあと三巻。2017/05/16

たーぼー

51
子を授かること叶わず、病に罹っては二条院に籠り、出家の願いも許されぬまま息絶えた、紫の上の生涯とは何だったのか。『御法』と『幻』。この儚き人の世の叙事詩によって源氏物語は全貌を露わにしたものと感じる。日々悲嘆に暮れ出家に向かう源氏の院には、これまでの栄華も、淫蕩も、夕べの記憶として留められるのだろう。ところで四一帖『雲隠』には一つの活字も無い。『雲隠』とは万葉集では『死』を意味するらしい。この二つの単語に光の君、光源氏と持て囃された男の50数年といわれる生涯に送られる霊的で、夢幻の響きを感じざるを得ない。2018/08/15

レアル

44
光源氏が亡き人となる「雲隠」の章は、章題のみで文章がないことに改めて紫式部の凄さと奥深さを感じる。そして紫の上がやはり一番愛されていたような感じがする。2012/10/21

SIGERU

23
「雲隠」の帖には、しんそこ驚かされた。雲隠という表題が記された頁をめくると、そこには空白しかない。ただの一行もないのだ。源氏こそは、大河ロマン『源氏物語』の主人公。その最期が、茫漠たる無だとは…。「御法」の帖での紫の上の死も、物語の頂点だった。しかし、源氏の死をあらわす「雲隠」は、御法の感動を遥かに凌駕した。主人公を送るために紫式部が用意した無窮の空白こそ、世界文学史上稀にみる独創だといえる。巻七では主要人物たちが次々と退場していく。柏木の死、紫の上の死、源氏の死。脳裡には、葬送の曲が流れ続けている心地。2020/12/30

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