内容説明
四十の賀を迎えた源氏のもとに兄朱雀院の愛娘・女三の宮が降嫁し、思わぬ波乱の幕が開く。紫の上は苦悩の末に発病、女三の宮を垣間見た柏木は恋慕をつのらせ密通、不義は源氏に露見する。それぞれの苦しみを抱えた男女が織りなす圧巻の心理ドラマ。第6巻は、若菜 上・若菜 下を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
69
若菜上・下がおさめられています。女三の宮が嫁入りしたことで、六条の院に思わぬ波乱が湧き上がったように思えました。光源氏と紫の上の間にも一波乱生まれたことにより、現在の光源氏は、かつてとはまた違った我儘で身勝手のように見えます。光源氏の人形のような存在だった紫の上が独り立ちしていくのも時の流れですね。2019/03/29
たーぼー
63
暗い深淵に飲み込まれてゆくような、人々の苦悩と生々しい姿が繊細に描かれたとてもクオリティの高い巻だ。中でも柏木のストーカー行為は鳥肌モノ。子猫を片思いの女三宮の姿に重ね、妄想し一緒に寝るとか、もうキモ過ぎる。そして夫婦仲に陰りがみえてきた源氏と紫の上にとって、紫の上の出家願いは妙案だと思うのだが、源氏が頑として許さないのが腑に落ちない。今までなら色情を抱えつつも、女性への慈しみと心情を察するに敏感だったのに。益々、この男のことが解らなくなってきた。紫の上の理想は全て霞に包まれた蜃気楼にすぎなかったのか。2017/04/28
ちゃいろ子
34
若菜。 名高い若菜の帖。 光り輝くほどに美しい人にも等しく訪れる老い。 そして、自分が犯した罪深い秘密が、そのまま自分の身に降りかかってくるという、、。 紫の上の苦しみも読んでいて辛い。 時代背景が違うとは言っても、人としての感情は理解できるもの。 雅な世界に渦巻くドロドロの人間模様、、、クセになる。好き過ぎるのですよ。2024/04/14
しんすけ
21
若菜上・下の二帖が所収されている。 源氏物語中の最高鋒と多くの人が評する帖である。 ぼくもそれは否定しない。 個人的には、もっと先の浮舟が登場するところが一番好きだけど。 若菜は、光の没落物語ともいえる。 女たちをセックスと栄華の対象としてしか考えていなかった光に、天罰が落ちる物語と観て良い。 紫式部は、光をここまで追いつめて、女の鬱憤を晴らそうとしたのではないか。 それは夫藤原宣孝もあろうが、翻弄した藤原道長に対するものが大きかったのでないか。栄華を誇った藤原道長が、憎かったのではないだろうか。2022/05/28
無花果
14
源氏がまた新たな女性を引き取った(それも結婚)ことから始まるのだが、それがいろいろ火種になってるのでは!!こんな状況で紫の上も辛いと思う。そりゃあ、体調を崩すよね。というか、心の病???でも、源氏は女三宮には失望し気味でますます紫の上の愛が深まってるから、安心してといいたいけどできないよね。そして女三宮は怯えながらも柏木と密通、懐妊と・・・源氏も怒れるだろうけど、誰かも過去に同じようなことしなかった???だから源氏には同情できないなぁ。 2013/07/31
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