内容説明
『遠い所に行く、当分は戻れない』それが十五両の大金で、帯と反物を買った貧しい身形(みなり)の職人の言葉だった。土一升金一升と言われる日本橋で染色工芸店の蜻蛉屋こと人呼んでとんぼ屋を営むお瑛は、商品を渡す時、瞬間その意味を訝しんだが……。情理をわきまえた才色兼備の女将と評されるお瑛は、二十九歳になる出戻りだったが、事件は客からもたらされる事になった……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はにこ
28
初読みの作家さん。蜻蛉屋の女主人、お瑛。江戸の女らしく、なかなか気が強い。父に去られ、嫁ぎ先からの出戻りとなかなかの苦労。でも色々と事件に首を突っ込む。お節介というより野次馬?そんな印象だった。完璧じゃないキャラクターは全然良いんだけど、もうちょっとお瑛のことを小気味良く描いてくれたらなとも思う。とはいえ、もう少し読んでみるか。2021/08/08
謡子
4
購入したときに本屋さんに「これは面白いよ!」と太鼓判おされた。ワクワクしながら6篇。ホラーもあるよ!(泣) 主役のお瑛さんは時代小説によくあるスーパーなんでもすっぱり解決マン…ではなく普通の野次馬根性たっぷりの詮索やさん。お母さん、どうか長生きしてくれなさい。2023/10/15
あかんべ
4
なんとなくおりきシリーズを、思い出してしまったが、作者違い。商売に苦労したことがあるためか、アクティブなおえいさん。2016/12/03
ひさか
2
2007年3月刊。文庫書下ろし。6話の連作短編。10作めが出ていて、なお、続いている話なので読んでみました。うーん。どうなんだろう。夢中になるほどの面白さは、無いものの、それなりの面白さは、あります。次を読んでみます。2015/03/18
Suzu
1
お初の作家さん。日本橋で草木染めの織物や陶磁器などを扱う蜻蛉屋の女主人のお瑛。店には色々ワケありの人たちがやってくる。優秀な番頭の市兵衛とどうにかなりたいの?よくわかんないけど。六の話葛橋は最後の最後におりんの心がわり。木綿のハンカチーフの男女逆バージョンみたいな展開はどうなの?そんなに江戸は楽しいかい?ちょっと竹次郎が可哀想。でもその辛さをバネにいい作品を生み出してほしいと思った。そして次巻に進む。2020/12/08
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