内容説明
金の匂いを嗅ぎつけ、半次につきまとう疫病神の蟋蟀小三郎。御奉行にも眼をつけられるが、半次の女房・志摩だけは小三郎に優しい。その志摩が家を出ていった。自分を捨て小三郎に乗り換えたのか、と半次はふさぎこむ。そんななか、小三郎が侍を斬り殺す大事件を起こす。痛快捕物帳の人気シリーズ第4作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
baba
36
小三郎に振り回される半次、その上、妻の志摩に疑いつつ気になる。疫病神の如くの小三郎が最後にしょぼしょぼを妻子と共に帰るのが哀れ。2023/02/05
baba
28
今回も小三郎に振り回される半次。その上お志摩は家を出る。お金に目がない小三郎と生真面目な半次、さらに妻に関してあれやこれやと思い悩む半次。前作の様な重さではなく、小三郎の振る舞いがやんちゃで可愛く見えるから不思議。2017/03/14
タツ フカガワ
10
連作8話のシリーズ4作目。疫病神蟋蟀小三郎が半次を食うほどの存在感。その小三郎も最終話「一難去ってまた一難」で越前丸岡藩へ帰藩、妻子とともに帰っていったのがちょっとさびしい。2020/01/23
ジュール
9
半次シリーズ再読中。半次と小三郎のやりとりは定番の面白さ。江戸の街の風俗、特に司法関係はさすが佐藤さん。今回は志摩の浮気を疑う半次。でも志摩はいつも出かけていて出番は少なかった。最後の志摩が熊次郎に背を向けて舌をペロッと出すのも可笑しい。2022/01/25
ぽんすけ
6
半次捕り物控えの第4弾となる本作。前作「命みょうが」と同様に短編連作となっており、一話一話が短時間で読めて隙間時間を利用して読むのに適。全ての話が伏線で繋がっており、各話単体でも作品全体を通じても楽しめる作品になっている。今作でも主人公半次を食う勢いで蟋蟀小三郎が出張っている。その金にがめつく図々しい性格が、生真面目な半次をイライラさせたり怒らせたりするわけだが、今回は半次の女房志摩を小三郎が奪ったのではないのかという疑惑まで浮かんできて本当に騒動に事欠かない男である。この騒動の結末は?読んでのお楽しみ^2014/04/12