内容説明
九つの子が川縁で見つけた生首を描いた絵があまりにも見事なので多色刷りの瓦版にすると、「気味が悪い」と江戸中で大騒ぎに。それでも生首の主は分からずじまいで、そのうち生き写しの男があらわれて悪事がばれたものだから、瓦版は狂言だったと非難囂々(ごうごう)となる表題作。半次のひらめきが難題を解いていく。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュール
5
再読、何度読んでも面白い。2019/06/01
鈴木正大
4
半次が能天気な蟋蟀小三郎を評して「頭に釘が刺さったまま生まれてきている」と言っている。全く言い得て妙で笑える。2015/06/03
しんこい
3
蟋蟀小三郎が毎回登場するが、活躍する訳ではない。半次も盗人を取り逃がして押し込め同然になったり、本人以外の活動が話の主だったり、若干物足りない。八百屋お七の空気が読めないエピソードが、成程であった。2012/10/06
sai
2
前作では真面目?というか大人になったと思った蟋蟀小三郎、やっぱり…そうそう簡単には性格は変わらないということか(笑) 半次親分に対しては相変わらず独りよがりの考えを押し通すけど。今回は爆笑場面の連続だったなぁ(爆。2013/11/02
B. S. Junkie
1
前巻から始めた「蟋蟀剣術スクール」が当たって(ここらあたりはリアリティがあるのかないのかよくわからない。別の作者の本では、厳しすぎる道場は流行らないとあったような気もする)、小三郎もなんだか普通の人になってしまったような。首を切り飛ばすだの生首だのと言えば、読者からすれば、一番に思い当たるのは小三郎だと思うのだが。「ちゃらんぽらんで天衣無縫」というのとはちょっと違ったが、確かに小三郎は登場当初のほうが面白い人物だったかもしれない。2023/09/17