スピノザという暗号

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スピノザという暗号

  • 著者名:田島正樹
  • 価格 ¥3,300(本体¥3,000)
  • 青弓社(2014/03発売)
  • ポイント 30pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784787210319

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内容説明

スピノザを解読する鍵は、スピノザ自身にある。ヘーゲル─マルクスとつづく近代哲学の始祖スピノザの方法をスピノザ自身に適用することで、自由・義・宗教・神・意志など、私たちが知らないままに動かされている哲学のテーマを明解に説く入門書。
※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、予めご了承ください。試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。

目次

凡例

第1章 スピノザの出発
 1 歴史的背景
 2 感情の治療学
 3 惑溺の政治

第2章 実在性
 1 形而上学的予備考察
 2 全体論的合理性

第3章 自己原因としての神
 1 『短論文』における「アポステリオリな証明」
 2 『エチカ』における神の存在証明
 3 「完全性」の観念
 4 実在性の階層
 5 第三種認識

第4章 心─身問題

第5章 倫理
 1 倫理の基礎
 2 悪とスピノザ的政治



あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

17
図書館でみかけ、題名にひかれて。スピノザ自身や彼の著作をよく知らずにこちらを読んだため、理解しにくいところが多々あった。著者の説明の論点がはっきりしない部分はあったが、引用されているスピノザ自身の言葉に含まれる意味は重く、そこから私の考えもひろがる。次はスピノザを読んでみよう。聖書の中で、イエスがパリサイ人を反論するのに、パリサイ人たち自身の主張に基づいて説得しようとしているとの考察が興味深い。2013/06/17

Bartleby

13
この世界も私たちも取り替えがきかない。だからこそコナトゥス(自己保存力)を最大限発揮するべきだ、その先に歓びの感情がある。自由意志は子ども騙しである。かなり雑に要約するとスピノザ哲学はそんなものだと本書から受け取った。「エチカ」はずっと読み続けているが、相変わらずこの、幾何学の証明のように書かれた奇書を俯瞰することができない。これがすごい本であることは分かる。アインシュタインが愛読していた理由は分かった。スピノザのいう(神からの)表象化の過程を逆にたどると、自然現象とほぼ同義のものに至る。2022/10/23

左手爆弾

4
困ったものである。仮にもスピノザについての本であるのに、肝心なところで分析哲学や現代形而上学的な証明が急に始まる。「スピノザを読む方法はスピノザの内にある」と言いながら、それが実行されているとは思えない。例えば、「心身並行論とは、シニフィアンとシニフィエの関係である」みたいな説明の仕方って、どう考えたって無茶である。なお、そういう細かいことを無視して哲学エッセイとして読むこともできる。ただし、それにしては妙につまらない、という別の問題が発生するが。2014/02/03

karatte

4
近所の古書店にて購入。スピノザが用いた方法論をスピノザ自身に当て嵌めることで、スピノザ哲学に新たな光をもたらそうという試み。テーマが多岐に亘る故か些か散漫な感じは否めないが、それでも中~後半にかけて見るべき点が多い。第3章『自己原因としての神』で説明される二種類の因果性や重要概念コナトス(自己保存の努力)、第4章『心―身問題』におけるエチカ諸定理の丹念な追跡調査、そして第5章『倫理』ではスピノザの自然主義が解体され、その現代的意義が浮き彫りになる。2013/05/26

♨️

1
スピノザの思想のうちの全体論と実在論との並存のうちに潜んでいる緊張関係(そこにはスピノザの方法論や真理観が絡んでくる)に焦点を当て、実在論の側を切り捨てることで、スピノザの思想を静的なものでなく動的なものとみなし(このあたりはドゥルーズなど20世紀仏のスピノザ・ルネッサンスとぴったり重なることを内在的読解からやっていることになる)、神、いわゆる「平行論」、倫理といった問題について、(矛盾を回避して全体論を徹底した)スピノザをどうラジカルに読めるかを実践していると思う。2022/07/06

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