ちくま文庫<br> 太宰治全集(7)

個数:1
紙書籍版価格 ¥1,045
  • 電子書籍
  • Reader

ちくま文庫
太宰治全集(7)

  • 著者名:太宰治【著】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2013/11発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480022578

ファイル: /

内容説明

昭和19年5月12日から6月にかけて津軽地方を取材旅行、7月「津軽」完成。12月、仙台に赴いて魯迅在留当時のことを調査、それをもとに20年2月「惜別」によって若い日の魯迅の思想的苦悩と変転を描き上げる。引きつづく空襲警報下の3月「お伽草子」執筆にとりかかる。妻子を甲府に疎開させたが、4月2日未明、空襲により家を損傷される。敗色濃い状況のなか、戦火に追われつつも、旺盛な執筆活動はつづく。津軽 惜別 お伽草子

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

64
長編が3本入っていたので読み応えがありました。戦火に追われつつも執筆の筆はまさに小説の極みと言えるでしょう。旺盛な執筆欲が感じられます。2020/05/09

レアル

62
この全集の中で一番好きな巻。「津軽」「惜別」「お伽草紙」の3つが入っている。短編ばかりの小説が詰まった巻が多い中、読み応え抜群の3つのみが入った巻。しかも大好きな作品なので味わいながら読んだ。太宰出身地の「津軽」へ訪れた物語と魯迅の事を書いた「惜別」。そして「お伽草紙」。これらの作品は戦争の色も濃くなる昭和19年~20年に書かれたもので戦争の状況も作品の中で描かれている。そして「お伽草紙」。。太宰が描くとどうしてこうも理屈っぽくなるのか(笑)その太宰の世界観たっぷりに描かれている物語が素直に面白い。2016/02/08

優希

49
戦火に襲われつつも旺盛な執筆生活は変わらないようです。長編3編がおさめられていますが、どれも読み応えがありました。2023/04/30

ころこ

42
『津軽』『帰去来』で描かれたのは、実質的に出禁になった実家との関係修復のようでいて、ずっと変わらず太宰を待っていた草木と家という故郷であった。本作は故郷を紹介しているようでいて、故郷と和解するための出会いを果たす。疎くなったはずの故郷を、緊張が解け嬉しくなった勢いで余所者の読者へ紹介するというのが、いかにもお人好しの太宰らしい。あの土地は色々良いところがあるが、まあ、最も良いところはひとが良いところだよ、とでも言いたげだ。「5西海岸」では、亡父の実家を訪ねる。逡巡しつつ、思い切って玄関に声を掛ける、その直2023/04/27

Hepatica nobilis

10
『津軽』語り口の巧みさ、戦中末期の人々の意外に明るい暮らしぶりや、津軽や生家に抱くアンビバレンツがとてもいい。肝心の竜飛岬が軍機のために簡略すぎるのが残念。『惜別』後の魯迅となる「周さん」の仙台での交流を描く。周さんの人物像は太宰自身の影が濃厚だが、3作中ではもっとも面白い。『お伽草子』空襲下で描かれたという物語で、作者のストーリーテラーぶりを期待していたが裏切られた。ユーモアはあるが作者自身が表に出過ぎて鼻につき、正直に期待外れ。ちょっと自意識過剰では?2015/12/13

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/501397
  • ご注意事項