ちくま文庫<br> 太宰治全集(10)

個数:1
紙書籍版価格
¥1,045
  • 電子書籍
  • Reader

ちくま文庫
太宰治全集(10)

  • 著者名:太宰治【著】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2013/12発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480022608

ファイル: /

内容説明

「生きて行く力――いやになってしまった活動写真を、おしまいまで、見ている勇気。」昭和10年発表の「もの思う葦」より死の直前の「如是我聞」にいたる一切のエッセイ、アフォリズムを収録する。もの思う葦 碧眼托鉢 古典 竜頭蛇尾 悶悶日記 走ラヌ名馬 思案の敗北 創作余談 一日の労苦 当選の日 正直ノオト 困惑の弁 心の王者 酒ぎらい 作家の像 弱者の糧 金銭の話 芸術ぎらい 織田君の死 わが半生を語る かくめい 如是我聞 その他

目次

田舎者
魚服記に就て
〔小説〕断崖の錯覚
もの思う葦
川端康成へ
人物に就いて
音に就いて
檀君の近業について
「晩年」に就いて
一日の労苦
心の王者
弱者の糧
青森
「晩年」と「女生徒」
小照
わが愛好する言葉
津軽地方とチエホフ
織田君の死
かくめい
小説の面白さ〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

69
面白かったです。太宰の小説以外の文集がおさめられています。それらの一切の随筆からは太宰の本音が聞こえてくるようでした。全集の最終巻にこのような文章を読むのには意味があるのでしょう。太宰治という作家がよく分かります。 2020/05/15

レアル

59
こちら太宰の筆名で出された随想の類と小説「断崖の錯覚」を収録。思いつくままを描いた作品は読みやすく、かつ太宰の思想をラスト10巻で味わった。「断崖の錯覚」も初読の時は「錯覚ってそういう意味?」なんて不思議に思ったが、今読むと本当にストレートな作品で、そこが太宰らしかったりする。…と言うことで太宰治全集10巻読破。久しぶりに太宰を堪能した。2016/03/04

優希

52
太宰の小説以外の文章になります。それらアフォリズムや随想から、太宰の本音が聞こえてくるような気がします。「太宰治」という作家がよく分かります。2023/04/30

ころこ

42
最終巻に小説と戯曲以外のエッセイが集められている。太宰といえば一人称で私小説が印象に残っている読者からすると、エッセイはより太宰の語りに近づくのではないかと期待する。ところが、私=太宰の文章は意外にも読者の現前には迫ってこない。内容もそこまで興味を引かない、というのが印象ではないか。いかに小説の設定に腐心していたかにこの段階になって気付く。2023/05/08

Hepatica nobilis

13
どうせ全集を読むなら、この巻が最後でない方がいい。そのように思ったので10巻を読む。『断崖の錯覚』は著者自ら否定した「推理小説」。読んだ限りではそんなに酷い出来だとは思えない。むしろその後に続くエッセイ、短文の類いが玉石混交で適当に書き散らして、しかも言い訳がましいものも多い気がする。最後の『如是我聞』は文壇の老人たちを批判したもので、ここでは必死の形相が目に浮かぶ。その舌鋒は痛烈というよりむしろ痛々しい。無頼派と言われる作家もここでは庇護を求めて叫ぶ子供のようだ。その対象が志賀直哉、なんだね。2017/10/31

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/455887
  • ご注意事項