子どもの頃「ゆうづる」に乗った。上段の寝台からこっそり眺める夜の世界は、あまりにも幻想的だった。上野から東京へ乗り継ぎ「ひかり」で大阪まで。 時代のド真ん中を驀進する新幹線。夜の淵をトコトコ駆けてゆく寝台特急。人それぞれの思いを、運び続けてきた。 速くもなく、快適でもないの人生の間、いつもどこかで、彼らが走っていたのだと思うと、不思議な気持ちに、そして、静かな力が湧いてくる。
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