内容説明
カバーイラストは荒木飛呂彦描き下ろし! 評伝を積み重ねて描く、本邦初の本格的アジア通史全編書き下ろし。「アジア」と名指される広大な領域を、東西南北、古代から21世紀へと、縦横無尽に駆けめぐる。現代のアジア史研究の第一人者である編集委員たちと、東洋史研究の伝統を継承した人々が、古代から21世紀までを展望し、圧倒的個性を掘り起こす! チンギス・カン/クビライ・カアン/ラシードゥッディーン/関漢卿/王重陽/丘長春/北条泰時/夢窓疎石/忠烈王/ニザームッディーン・アウリヤー/ガジャマダ/イブン・バットゥータ/イブン・アラビー/イブン・タイミーヤ/他。
「月報」エッセイ:北方謙三
執筆陣:小松久男/宇野伸浩/松田孝一/大塚修/金文京/横手裕/大隅和雄/榎本渉/森平雅彦/二宮文子/青山亨/上田新也/伊東利勝/川口洋史/家島彦一/東長靖/原陸郎
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
崩紫サロメ
18
人物を中心にすることで、モンゴル帝国時代のような一国史に収まりにくい時代をよく描いている。この時代の高麗について森平雅彦の『モンゴル覇権下の高麗』という学位論文を読み大変興味を持ったのだが、本書でも高麗パートは森平氏が担当しており、より平易でありながら、「モンゴル帝国の駙馬」としての具体的な高麗王の像が立体的に描かれていて、この地域や時代について知らなかった人にも興味深く読めると思う。2024/02/06
田中峰和
6
モンゴルの台頭から始まる本冊。チンギス・カンが兄妹との確執や他部族との権謀術数によって領土を広げていく過程がよくわかった。その後、オゴデイ→グユク→モンケと続くが、五代目クビライが最も有名。二度にわたる元寇は日本史にもかかわる事件だが、それほどの危機になってはいない。侵攻の際に、高麗を先兵として活用したが、当時の高麗の忠烈王にとっては迷惑な話。本気で日本征服など考えていない。元王国の顔色をみての侵攻でしかなかった。鎌倉幕府において源政権を乗っ取った北条家の泰時は、時政・義時に比べると、悪辣ぶりはましだ。2024/01/28
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