内容説明
クリミア戦争に敗北したロシアに改革の時代が始まった時,亡命中のゲルツェンは言論活動を活発に続け,内外の反政府運動を助ける.その「自由な言葉」は,雑誌《北極星》によってロシアを遍く照らし,新聞《コロコル(鐘)》によって全土に鳴り響いた.彼は「流行児」となり,人生の絶頂期を迎える.(全七冊)
目次
凡 例
ゲルツェン関係地図
ゲルツェン家系図
第六部 イギリス(承前) (一八五二―一八六四)
第四十九章 亡命ドイツ人
ルーゲ,キンケル,マルクス
アメリカ人主催の晩餐会
国際委員会の試み
ミュラー・ストリュービンク博士
第五十章 泥の層――あるいはロンドンの自由民
五〇年代のロンドンの自由民
単純な不幸と政治的不幸
自由民百態
ストレモウーホフ
脱走した水兵
もう一段下へ
第五十一章 ロバート・オーウェン
1 折り畳み式の物差し
2 精神の鰓
3 蟻塚の夢
4 二本の臼歯
5 絨毯の模様
第五十二章 〈赤シャツ〉
1 ブルック・ハウスにて
2 スタッフォード・ハウスで
3 わたしの家で
4 プリンスィズ・ゲート二十六番地
第七部 自由ロシア印刷所と《コロコル(鐘)》(一八五八―一八六二)
第五十三章 遠地点と近地点
1 大佐
2 船長
3 一八六二年
ユーリー・ゴリーツィン公爵
イワン・サーヴィチ
第五十四章 ワシーリー・ケリシーエフ
第五十五章 若き亡命者たち
第五十六章 バクーニンとポーランド問題
付録 ポーランド駐屯ロシア軍士官委員会へのメッセージ
訳 注
訳者解説6
略年譜6
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイトKATE
22
ロンドンで過ごした時期は、ゲルツェンにとって重要な出来事が続いた。ロシアがクリミア戦争で敗れ、不倶戴天の敵ニコライ1世が亡くなった。ニコライの死で専制政治が緩和されたロシアに向けて、ゲルツェンは雑誌《北極星》と新聞《コロコル》を発行して自由な言論を訴えた。この頃は、社会主義者のロバート・オーウェンとの出会い、ガリバルディやバクーニンとの再会を回想している。『過去と思索』は、専制主義に対する不満や怒りが綴られているが、ロンドン時代は希望が感じられる。ゲルツェンの人生で最も充実していた時期であった。2026/04/24
roughfractus02
10
印刷所設立と雑誌発行で名を知られ、多くの知識人や革命家と出会う60年代の著者のロンドン生活が本巻の中心になる。訳者あとがきによれば幼馴染みのオガーリョフが妻を伴ってロンドンで共に暮らし、印刷所経営に参画したことが著者を活動的にしたという経緯もあるとされる。雑誌『北極星』発行後ニコライI世の死を契機に革命の機運をロシアに見た著者は、さらに2種の雑誌を発行し、オーウェン、バクーニン、ガリバルディ、トルストイ、ドストエフスキーらに出会う。ロンドンで『資本論』を書くマルクスには出会わないがその「一派」には厳しい。2026/03/21
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