岩波文庫<br> 過去と思索(四)

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岩波文庫
過去と思索(四)

  • ISBN:9784003860434

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内容説明

一八四八年六月,革命後のフランス臨時政府による民衆への大弾圧が起きた.血塗られたツァーリの暴虐を遥かに超えるパリの惨劇は,ゲルツェンの思想を新しい境位に導く.専制支配はペテルブルクだけではない,ここにもある.かくして西欧への幻想は消えた.亡命後のゲルツェンを大きく揺さぶる出来事が続く.(全七冊)

目次

凡例
ゲルツェン関係地図
ゲルツェン家系図
第五部 パリ,イタリア,パリ(一八四七―一八五二)
革命の前と後
第三十四章 西欧へ,パリへ
失われた旅券
手製の鼻
到着
第三十五章 共和国の蜜月
革ジャンパーを着たイギリス人
ノアイユ公
自由とマルセイユにおけるその胸像
修道院長シブールとアヴィニヨンの世界共和国
西欧小論集 その一
1 夢
2 嵐の中へ
第三十六章 フランスの四八年革命
《諸国民の論壇》
ミツキェーヴィチとラモン・デ・ラ・サグラ
パリのコレラ
一八四九年六月十三日の合唱隊
ジュネーヴへの逃避行
第三十七章 ジュネーヴの亡命者たち
ドイツの変革家たち
マッツィーニ
ガリバルディ
オルシーニ
メディチ,サッフィ
ラヴィロン
ロマン的伝統とゲルマン的伝統
「〈ラデツキ公爵〉号」での船旅
第三十八章 スイスの亡命者たち
スイス
ジェームス・ファージと亡命者たち
モンテ・ローザ
西欧小論集 その二
1 〈悲嘆〉
2 〈追記〉
第三十九章 財産の救出
金と警察
皇帝ジェームス・ロスチャイルドと銀行家ニコライ・ロマノフ
警察と金
第四十章 スイスの市民権を求めて
ヨーロッパ中央委員会
ニースのロシア総領事
幼児迫害
フォークト家の人たち
シャテルでの歓迎
第四十一章 プルードン
ピエール・プルードン
《人民の声》の発刊
つけたり
触れられた問題についての考察
1 嫉妬
2 結婚
3 女子教育
第四十二章 荒野に鳴く牛の声
クーデター
家庭の悲劇の物語
Ⅰ 一八四八年
兆し
発疹チフス
Ⅱ ヘルヴェーク
Ⅲ 心の動揺
Ⅳ さらに一年(一八五一年)
Ⅴ ウソ
訳注
訳者解説4
略年譜4

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

46
憧れの地、パリに辿り着いたゲルツェン。ところが王政ではなく、人民によって素晴らしい統治がなされていると思われていたパリは理想郷ではなかった。更に王政復古に伴う大虐殺によってパリの人々もロシアと変わりなかったと悟るのだった。更に友人として援助していた芸術家、イェルゲンとの確執も描かれる。このイェルゲンは繊細さ故に人の好意に胡座を掻いて寄生するが自身の欠点を指摘されると執念深い攻撃を仕掛けるという、非常に関わりたくない人物として明かされる。更にイェルゲンの妻、エマは夫の駄目な部分を助長させる様な女性だし…。2025/01/05

ケイトKATE

26
家族を連れてロシアと決別したゲルツェンは、民主化の最先端を行くフランスへ向かったが、1848年6月のパリで臨時政府による大弾圧を目撃する。パリでの弾圧から逃れジュネーヴに到着したゲルツェンは、後にイタリア統一の立役者となるガリバルディとマッツィーニと出会い交流を深める。4巻では、さらに社会主義の祖とされるプルードンや少しだがツルゲーネフが登場してゲルツェンの交流の広さに驚かされる。根無し草状態のゲルツェンだが、国を超えて同時代の知識人たちとの交流に羨望を感じてしまう。2026/03/31

roughfractus02

10
民意による共和制の崩壊を1848年のパリ二月革命以後に見た著者はヨーロッパへの信頼に訣別し、ロシアからの亡命者として生きることを選択する。一方、革命概念は既成の道徳自体の革新の実践へと展開し、夫婦、家庭の新たな形を模索していく。が、新しい愛との形を夢想しつつ妻とその愛人の情事に嫉妬でしか反応できない自分に苦悶する著者は、革命概念の崩壊を家庭の崩壊に実感する。イタリアの友人らが革命を期待したローマの共和制も崩壊して幻滅に沈む50年代、ロシア自身の革命を思い描き始める本巻では、著者の思想的対話が深みに向かう。2026/03/19

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