内容説明
師匠である月白さんの死を長らく受け入れられなかった青藍がついに、遺品の入った長持を開ける時が来た。そこに入っていた１枚の写真をきっかけに、青藍はある思い出の「場所」を探す決心をする。一方、大学進学を決めた茜は、その準備に追われる日々を送るようになっていた。その様子に、妹のすみれは不満を感じているようで？ もう戻らないものへの消えない想い。果たされなかった約束。次々に周囲で起こる出来事の謎を解明し、障壁を乗り越えるうちに青藍の心も次第に固まって…。そして茜も夢のため最初の一歩を踏み出す。「ここ」があるから。「ここ」にみんながいるから次にいける…。京都岡崎・月白邸の人々に訪れる、優しく美しい季節！
目次
一 わたしの家族写真
二 花のことば
三 美しい月の人
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
94
「おかえり」「ただいま」そこに住む人たちにとって月白邸はますますかけがえのない大切な居場所に。一歩前へ踏みだすラストは爽やかで良かったけど、これで終わっちゃうの?青藍と茜のこれからも気になるし、皆さんと同じく私も続きが読みたいです。2023/12/13
ツン
77
最初の２編はよかったけど、後半は物足りない、、というか、続きが読みたいです。どうなのかな。2023/10/29
真理そら
54
すみれが成長して初登場時のサツキ＆メイ感はもうない、茜が自分の道に進めるように居場所を作ろうとするすみれ（&なぜか青藍）茜の大学入学式にピシッときめた陽時と青藍がついてくると知って困惑する茜。茜は環境から学芸員を目指すのかと思っていたのに違うのね。今回はカメラマンと映画監督志望が登場したので画家の話が少なくてちょっと寂しく感じた。2024/04/21
よっち
31
師匠である月白さんの死を長らく受け入れられなかった青藍。遺品の入った長持にあった1枚の写真をきっかけに、ある思い出の「場所」を探す決心をする第六弾。写真家からの娘の結婚式の絵を描いてほしいという依頼。写真から辿ってゆく師匠の過去と、そこから感じられる青藍を気にかける師匠の想い。一方、大学進学の準備に追われる日々を送るようになった茜に不満を感じるすみれの想い。月白邸の人たちも関わる人たちも、少しずつ変わってゆくのを感じた今回の展開でしたけど、かけがえのない居場所があるからこそのそれぞれの新たな一歩でしたね。2023/10/18
らび
26
茜は将来に向けて羽ばたく準備を始める。青藍は師匠・月白と真の意味で向き合う、課題は終わるのではなくここからの指針となるのではないでしょうか。深すぎてやっぱりその域に達した世界の住人の領域って凡人には理解までたたどり着けないけど難しく考えることは無いかもしれない。「ただいま」「おかえり」そんな家の存在は何よりも代えがたい。2024/02/15
