内容説明
父が亡くなって一年、茜とすみれの姉妹は、京都岡崎の月白邸で、天才日本画家の名をほしいままにしつつも人嫌いの若き主、久我青藍と、出入りの絵具屋で太陽のようにあたたかな人柄の紀伊陽時と、家族のような絆を感じながら暮らしていた。そんなある日、かつて月白邸と取引のあった扇骨屋の依頼で、青藍は岡崎の古い洋館に障壁画を納めたのだが、ある少年に「その絵はニセモノだ」と指摘されて……(「鳳凰館の夕暮れ」)他二編。冬から春へ想いの芽吹く季節に〈色々〉家族の、はんなりほっこり京都物語。
目次
一 鳳凰館の夕暮れ
二 すみれのさくら
三 蒼翠の森、春の嵐
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
123
シリーズ3作目。嫌な思いをしても安心して帰れる場所があるっていいな。血の繋がりを超えた家族、互いをさりげなく思いやる。素敵だな。静かで穏やか、どことなく上品なイメージの物語。茜がささっと作るご飯もおいしそうです。気づいたら4巻も出てる!早く読まねば。2023/01/19
ツン
101
最後のところで桜の絵に龍を描こうとしていた青藍。絵が完成しちゃうの?!と焦ってしまったけど、大丈夫でした。まだまだずっと読み続けたいです。それにしても、青藍が子供っぽいというより、茜が大人過ぎてすごいんですけど。。青藍のお姉さんみたい。2022/02/12
真理そら
54
家族関係を中心に青藍の心の回復の経過が丁寧に描かれている。このあたりで青藍の母親について知りたいかも。2022/10/02
ぶんこ
45
読み終わるのが惜しい。やっぱり大好きなシリーズです。共に家族との縁が、亡くなったり薄かったりの月白邸の4人。心に巣くっている哀しみが有るだけに、そっと支えあっているのが伝わってきます。特に青藍にとって、苦手な外出先に茜が付き添ってくれるなんて、なんて羨ましいことか。今回出現した狐男と言われる西宮海里に惚れました。責任感が強いからこその厳しさ。それを理解している青藍と陽時も素晴らしい。父から愛されていなかったと思い込んでいた青藍が、母違いの兄の「東院家」を背負う重みを理解したのが私にとっては今巻での一番!2022/05/24
よっち
26
茜とすみれの父が亡くなって一年、そして姉妹が月白邸に住むようになって半年。そんなある日、青藍は岡崎の古い洋館に障壁画を納める第三弾。洋館のかつての持ち主の知る少年にその絵は偽物だと言われて茜と共に本当の姿を探す青藍、月白邸のみんなでお花見に行こうとした矢先に倒れた茜、父・宗介が人知れず描いていた絵を見つけた青藍と珠貴。新キャラも出てきて、これからの関わりが気になるところですけど、今回は様々な難しい複雑な思いを抱える兄弟関係が描かれていて、茜たちをきっかけに変化の兆しを迎えていく展開がとても印象的でしたね。2022/02/04