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内容説明
母子の壮絶なる「轍」の物語、完結。
転落事故の影響で生きる気力を失ったママを、自宅に連れ帰った静一。ママはもはや静一が誰かを認識できず、日に日に衰弱していく。そんな”解(ほど)けていく”ママを、静一はじっくり観察する。毎日、毎日。
やがて夢の中で始まったのは、静一とママの「最期の会話」。
今、彼女と僕の世界は消失し、物語は終焉する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りんご
37
今日は漫喫デー。この本完結してたのですね。苦しい話でした。過去に何があっても死ぬまでは生きなければいけないってのの突き詰めた漫画でした。しんどかったけど、読みかけた以上は最後まで読む責任みたいなのを感じちゃう漫画だった。えぐかったねー。2024/01/07
Carlyuke
25
母親をみとる。吹石さん。静一。作者のあとがき。じわっと来る。これから残りの途中経過の部分を読む。モデルがいて作者が描かなければならない作品だったと知る。2023/12/16
さくりや
21
つぶやきでギブアップ宣言したけど気になって読んじゃった笑。静一から見た静子は私の母に似ていたが、静子の語る自己は私に似ていた。分かる、何が起きても遠く感じる。私と静一・静子親子の決定的に違うところは、「死」に安心しないところかなあ。整然とした、確実に自分の思い通りになるものに強く惹かれている親子だなあと思った。静子の最大のミスは結婚と出産で自分が変われると根拠もなく判断したところだし、静一は山で静子も突き落としちゃえば良かったんじゃないの?自分が殺した実感がないと「頭の中のママ」は消えないのでは?なんてね2024/04/13
空のかなた
19
六年の連載、壮絶な母と一人息子の物語が完結した。あとがきには「この物語は私が本当に描かなければいけないことだけを、余計なことは入れずに、描き尽くすところまで進もう。もし途中で終わってしまったら私は二度と立ち上がれないかもしれない」。夢現から剥離にかけてのニ章は、読み手にも苦しさと同時にトンネルを抜けたような開放感を与える。幻の中で母と対峙し、貴方に愛されていない事が怖くて、愛してくれない貴方を憎んで、頭の中でころし、罪の意識に殺されそうになったと言葉にできた静一は、自分は愛されていたんだと空を見あげる。2023/10/10
かに
18
完結。介護の果ての果て。内なる世界での母親との会話。息を引き取る。広い。吹石さん。夢。思い出せぬ顔。あとがき。「描いてもうしわけありません。私は自分がいきのびるためにこれを描いてしまいました。」「ごめんなさい。ありがとう。」どこまでが実話で、どこまでが創造か。胸糞悪い漫画だったが、心に何かを残す漫画。表現力がすさまじいことは真実。2024/02/04