内容説明
南町奉行根岸肥前守も青山麟太郎を気にかけている。この麟太郎、事件ともなると、首を突っ込むだけでなく、奉行所も一目を置く冴えを見せる。
その一方で、閻魔堂赤鬼という立派な筆名をもつ戯作者でもあるのだが、地本問屋「蔦屋」の二代目お蔦がいくら発破をかけても原稿は遅れ気味で、戯作者としては、いまいちぱっとしない。
おせっかいな麟太郎が行き倒れていた浪人を救った。信濃浪人風間左門は知り合いの倅を探していた。それは、父の仇を討つため江戸に出てきて十年になる総髪の若者相良恭之助。だが麟太郎は、旗本御家人の馬鹿息子らと喧嘩をしている博奕打ちや食詰浪人たちの群れに、恭之助らしき若者がいることに気づく。仇討ちの旅はどうなったのか?
表題作をはじめ、四編の事件帳。
ベテランの多彩な筆が冴える、人情味ゆたかな書下ろし人気シリーズ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
58
江戸は元浜町(現、東京都中央区日本橋浜町)の閻魔長屋に住む戯作者(げさくしゃ)の閻魔堂(えんまどう)赤鬼こと青山麟太郎が、南町奉行所臨時廻り同心・梶原八兵衛と下っ引の亀吉たちと共に事件の探索をし、それを地本問屋・蔦屋で発行する絵草紙に書いていく物語です。2024/01/12
真理そら
41
今回はお蔦さんと語り合う場面で終わらなかったのが寂しい。2023/08/17
ekoeko
2
4編。麟太郎が戯作者として早く成功してほしいと思う8巻目。2023/10/04
goodchoice
0
主人公の麟太郎が妙に明るく、他人に平気で肩入れしてしますところが面白い。肩が凝らずに読めるところが気に入っている。2023/11/11