内容説明
闇妓楼に潜入したマリウスは、得体のしれぬ黒幕、エウリュピデスの手に落ちて拷問を受けるが、命からがら脱出し、地下牢に囚われていたジャスミンとイェン・リェンを救い出して、タイスの地下を流れる迷宮のような地下水路に逃れる。しかし苛酷な脱出行のさなか、彼は自身の出自と過去にかかわるあまりにも悲しい真実に直面することになる。残酷な運命に翻弄されながらも自由を求めて生きる吟遊詩人の大冒険物語、完結!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たか
52
マリウス外伝3部作の完結編。 最近のマリウスは、危険なところに自ら首を突っ込み、周囲に迷惑を掛けては、誰かに助けてもらうだけのパターンを繰り返し、あまり好きなキャラクターではなかったけど、本シリーズのマリウスは前向きで明るく、逆境にも立ち向かう姿勢に好感が持てた。あんな人もこんな人も登場し、やや盛り込み過ぎ感はあるものの、着地は上手くまとめた感じはある。あの男の子は、いずれ本編にも出てくるのだろうか。C+評価2023/07/02
しゃお
32
三部作の完結編。いやー、予想以上、期待以上にグインの世界にどっぷり浸れました。本編や外伝のエピソードに無理なく繋げてくれているのも大きいですし、なによりラストは泣けました。いろいろアレなところもあるマリウスだけど、根は純情で正直すぎるほど正直ものなので、ダイレクトにその想いが伝わってきますし、伝えてくれた著者にも感謝。栗本さんが紡いでいた本編も読み返したくなりました!2023/06/15
to_chan
16
甘ちゃんのマリウスが好きだ。「死の婚礼」後のお話でファンのツボを押さえまくってる。本編であんなことあった時代よねー、と思い出に浸れる。 そして109巻「豹頭王の挑戦」から8巻分ぐらいグイン一行がタイスに留まったおかげで、面白いけどメインの話が進まんぞーっと思ってた当時の自分が成仏しました。2023/06/30
agtk
12
完結編。おもしろかった!久々にグインの世界を満喫した感じ。ぐいぐい引き込まれたし、読み終えたあとに満足感があった。本篇といろいろつながって、想像が広がる。初期の栗本グインを読んでいたときのワクワクに近い感じが心地よい。円城寺さんにはこれからもグインをかき続けて欲しい。2023/06/11
みどり
12
3か月連続刊行最終回! お疲れさまでした。 ずいぶんと、栗本先生のお気持ちを汲んでの仕上がりになっていたと思います。 初期のお話の設定がそれを可能にしたのだろうな。9巻と外伝2巻を読み返したくなった。2023/05/27