内容説明
失踪した作家・青山黎明が遺した原稿。それは彼を長年悩ませる謎の転移現象の記録だった。転移に抵抗する青山だったが、更なる悪夢に引きずり込まれていく(「フーグ」)。至高のホラー4編による連作集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
122
貴志さんの作品は昔「ISOLA」「黒い家」「クリムゾンの迷宮」など結構読んできましたが、「悪の教典」で若干違うというイメージで遠ざかっていたのですが短編は比較的面白いという感じがしてこの本も読みました。短編1編中編3編が収められていて楽しみました。短編の「餓鬼の田」は軽めですが「フーグ」「白鳥の歌」「こっくりさん」は貴志さんらしさがあると感じました。2026/02/14
イアン
106
★★★★★★☆☆☆☆秋雨のような湿度を持った貴志祐介のホラー短編集。意識を失ったまま遠方へ飛ばされる解離性遁走。過去にも樹海や鳥取砂丘へ「瞬間移動」した経験を持つ作家・青山が、未定稿の原稿を残して姿を消し――(「フーガ」)。この他、奇跡の歌声を持つ日系人歌手の数奇な人生を辿る「白鳥の歌」や、有名な都市伝説を裏バージョンにアレンジした「こっくりさん」など、現世の常識を覆すような歪んだ4編が収録されている。その先に見えるのは希望か、絶望か。ホラーというよりは、まさに〝奇譚〟と呼ぶべき世にも奇妙な貴志ワールド。2026/04/20
アッシュ姉
66
生きながら地獄に堕ちる絶望に震撼する四編。気になる同僚の知られざる苦悩、失踪を繰り返す作家、奇跡の歌声の秘密、こっくりさん闇バージョン。不条理な運命に逆らうことができない無力感がひしひしと迫ってくる。知りたいような知ってはいけないような恐怖、真相が明かされたときの更なる絶望。貴志さんの果てしない想像力に圧倒された。どれも面白かったなか「フーグ」「白鳥の歌」が特に印象深い。『梅雨物語』も楽しみ。2025/01/23
み
45
短編4つ。ホラーの分類になるんだろうが、ホラー要素は強くない。「餓鬼の田」のストンとした落としが面白い。「フーガ」は、結末が早々に予想がついてしまったんだが、途中の悪夢が嫌すぎる。「白鳥の歌」は「雀蜂」とか「天使の囀り」を思い出す。「こっくりさん」は遼人が解説しすぎでちょっと笑ってしまった。いずれも貴志さんらしさを楽しめた。2025/02/15
レモン
41
怖がりの私には丁度良い塩梅のホラー短編集。人気の高い『フーグ』が1番ゾクっとした。眠ったらどこか知らない場所に移動してしまうという恐怖ときたら。悪夢の描写も恐ろしい。短いが『餓鬼の田』のうすら寒い怖さも秀逸。『こっくりさん』は展開が面白く一気読み。進一を馬鹿にする拓矢に少しの嫌悪感を覚えつつ、そういえば貴志祐介の小説の主人公ってこんなやつが多かったと思い出す。結局何を召喚したのかはっきりした記述はなかったが、世間一般的な感覚を持っていたのが面白い。今の子どもはこっくりさん知ってるのかな?2026/02/07
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