光文社文庫<br> ふるさとの海~日本橋牡丹堂 菓子ばなし(十一)~

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光文社文庫
ふるさとの海~日本橋牡丹堂 菓子ばなし(十一)~

  • 著者名:中島久枝【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 光文社(2023/04発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334795221

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内容説明

藪入りの休みに、小萩は伊佐と夫婦になって初めて鎌倉に里帰りした。地元の幸で歓待される賑やかな日々。そんな中、大仏見物で寄った茶店で、伊佐が梅の干菓子に目を留める。華やかでかわいらしい紅花色。それは、勝代に見世を乗っ取られて江戸から姿を消した伊勢松坂の松兵衛が作った菓子だった――。季節の菓子と人情にほっこりする大好評シリーズ第十一弾。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

タイ子

90
鎌倉の朝焼けの海を見る2人の表紙。小萩が伊佐を連れて初めて実家に里帰りする藪入りの日。6日間の休みだからゆっくりできるのかと思いきや、鎌倉まで往復4日もかかる時代だから大変ですね。小萩の実家で大歓迎を受ける伊佐が何だか可愛い。これまで家族に恵まれなかった生い立ちを思えばこっちまで嬉しくなる。鎌倉で出会う懐かしい人に伝授される紅色の干菓子が伊佐の手によって復活されようとする。店頭で販売する温かい酒饅頭が美味しそうで、金柑餅は今ならいちご大福かなと思わせる。今作もどれも美味しそうなお菓子登場の第11弾。2023/04/22

やま

60
読み終って心がほんわかとしてきます。3年前に鎌倉のはずれの村からやってきて、お江戸日本橋の菓子屋・二十一屋で働く小萩(こはぎ)は、つきたてのお餅のようなふっくらとした頬に黒い瞳、小さな丸い鼻。美人ではないが愛らしい顔立ちの娘だ。此度、好きな職人の伊佐(いさ)と祝言を挙げ。いままでよりも菓子への取り組みが違ってくる。2023/06/22

はにこ

47
小萩ちゃんの里帰りから。鎌倉で元伊勢松阪屋に会う。技を教わる。相変わらず小萩の実家は賑やかね。今回も小萩庵にはちらほら依頼が。幹太も自分で考えた商いをしたりとそれぞれ成長している。徹次とお須美か。気づかなかった。親の再婚は心中穏やかじゃないものなのね。杉崎と文の恋が叶わないのはちょっと残念。菓子屋を辞めないでも良い相手じゃないと厳しいかな?2023/09/15

kagetrasama-aoi(葵・橘)

44
「日本橋牡丹堂 菓子ばなし」第十一巻。祝言をあげた小萩と伊佐。小萩のふるさとの鎌倉に里帰りするお話 “松兵衛の紅花色” がとても印象的。章名からもわかりますが、松兵衛の消息が語られてます。ほっとしました。牡丹堂と縁の深い山野辺藩の杉崎さんが江戸から帰藩するお話 “杉崎と名残の松風” 胸が締め付けられました。松風は平安の頃からの文学用語、その背景が感じられるお話でした。登場人物、皆の行く末が知りたく、幸せを祈りたくなるシリーズです。次巻を楽しみに待ちたいです。2023/06/01

ひさか

35
2023年4月光文社時代小説文庫刊。書き下ろし。シリーズ11作目。松兵衛の紅花色、杉崎と名残の松風、雪の日の金柑餅、娘から母に贈る祝い菓子、の4つの連作短編。小萩と伊佐の鎌倉への里帰りで出会う名店の干菓子の話が面白い。小萩を贔屓にしてくれた山野辺藩の杉崎が国に戻るのがとても残念。要所に登場して小萩に肩入れしてくれた話が忘れ難い。登場人物たちの変わりようが楽しみな話だ。2023/05/29

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