内容説明
伊佐と一緒になることになり、心弾ませる小萩。まだ内緒のつもりが、年の暮れには見世の面々に知られることとなった。みなに祝福され、ますます菓子づくりに励もうと思う小萩だが、まわりは違う心づもりらしい。〈小萩庵〉の看板はおろして、手伝い程度に働けばいいというのだが……。人生の曲がり角でとまどい悩む小萩が選ぶ道とは? 好評シリーズ第八弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
105
シリーズ第8弾。何?何?いつの間に小萩と伊佐が結婚の話まで進んでたんだ?内緒にしてたのに、やっぱ一緒に仕事してると仲間たちにはどうしたって知られてしまうよね。さて、小萩の実家鎌倉にはどう伝えようかと迷っているうち伊佐の母親代わりのお福からはせっつかれるし…。お菓子の注文はいろいろ入ってきて忙しくしてるうち、実家から母親が心配して来てしまった。小萩の胸のうちにあるのは結婚したら菓子作りは辞めて伊佐のために尽くすか、お菓子作りを続けるか思案のしどころ。人の言葉に左右されずに小萩の思う道を歩んで欲しいな。2021/08/15
やま
99
3年前からお江戸日本橋の菓子屋・二十一屋で働く小萩19才の成長物語です。とうとう小萩の思いが通じて、同じ店の職人伊佐と相思相愛になるが、小萩は何か…違和感を感じます。4話の物語の中で「相生の松のなぞ」では、思わず涙が出てしまいました。離れていても父娘は、父娘です。ここぞという時に娘の背中を押す父のありがたみを…噛みしめます。展開も早く、心がほっこりと温かくなります。お店の皆の思いやりが、小萩を温かく見守り、笑顔が出てきます。シリーズ8作目。字の大きさは…中。2021.10.21~22読了。★★★★☆2021/10/22
ぶんこ
51
ついに小萩と伊佐が結婚することになったのですが、二人の意思疎通がうまくいかない。伊佐も小萩も言いたいことをすぱっと言えない人なのがもどかしい。仕事から帰ったら温かいご飯が用意されていて、女の人の柔らかい空気が漂っている我が家。伊佐も憧れているのがわかるだけに、小萩の和菓子への思いを捨てきれないのが切ない。特に細々ながら小萩庵への注文が途切れないのも心残りのもと。今回は「相生の松」のお壱の気持ちに寄り添ってしまい、妹たちのこだわりの無さが、かえってこたえました。2022/02/08
kagetrasama-aoi(葵・橘)
43
「日本橋牡丹堂 菓子ばなし」第八巻。前巻でとうとう思いが通じあった、小萩と伊佐。周りの人達が殆ど皆温かくてほっとします。日本橋に出て来て初めて友達となったお絹ちゃんに、家庭と菓子職人なんて両立出来るはず無い!なんて言われてしまいます。子育てを嘗めないで!って気持ちなんでしょうねぇ…。留助さんの叫びも切実だったし。伊佐がどんな家庭を求めているかによって、選択肢は色々あるかもしれません。次巻以降の二人が楽しみです。2021/12/25
はにこ
43
やっと想いが届いた小萩だけど、結婚に向けて少し違和感を感じる。伊佐もまぁ思うところあるけど、小萩はちょっとぼやっとしすぎと言うか、人任せにしすぎと言うか。。言いたいことちゃんと言わないと後悔しますわよ。お話は「相生の松」のなぞが良かった。離れていても父は娘を心配しているのよね。2021/10/27